2006年06月15日
≪加速がついてきた樹脂サッシの普及≫
<一般利用者の声>

 前項では、樹脂サッシの最近の順調な普及ぶりと、それを後押しする重要な役割を果たしてきた行政府の様々な支援措置について紹介した。
 
 では、肝心の一般市民の樹脂サッシに対する評価はどうなのか…。そこで、実際に樹脂サッシによる高断熱・高気密住宅にお住まいの人々に感想を尋ねてみた。都内のマンション(外断熱工法によるマンション)でお暮らしの方々を訪問してお話をお聞きする一方で、このところ樹脂サッシの普及が特に目覚しい東北地方の新築戸建住宅でお住まいの方々にはアンケート方式で質問させていただき回答をお願いした。

○都内のマンションにお住まいの横山さんご夫妻のお話

 いまのマンションを選んだのは、外断熱工法と樹脂サッシの組み合わせによる建物が断熱性に優れ、また耐久力も十分なことを知ったからです。
 実際に住んでみると、これなら一生快適に過ごせるに違いないとの確信が持て、大いに満足しています。例えば、以前に住んでいたマンションだと冬場の朝は室内がすっかり冷え込んでいて寝床から抜け出すのが一苦労でした。しかしいまは、事前にエアコンをごく短時間作動させるだけで暖かくでき、しかも適温を長時間維持できるので寒い朝も簡単にふとんから抜け出せます。それに、薄いふとんでも十分過ごせるようになり、それでいて風邪を引くこともほとんどなくなりました。また、洗面所やお風呂場やお手洗いなどどの部屋も長時間にわたって同じ温度を保てるので、ときどき訪ねてくる両親もとても居心地が良いと言ってくれます。祖父母ともお手洗いでヒートショックによって亡くなった経験を持つだけに、もっと早くからこうした高断熱住宅が日本でも普及していればよかったとの思いが募ります。それと、結露に悩まされることがなくなった点も収穫の一つですね。

 一方、夏場もエアコンを短時間使用するだけで済みます。スイッチを切ったあともかなり長い時間にわたって同じ温度を維持できるので、以前のようにクーラーを止めたとたん再びどっと押し寄せる暑さに悩まされるといった体験は皆無となりました。朝までぐっすり眠れ、そのためか以前のように夏場に体調を崩すこともなくなりました。
 最初に必要な資金は若干高くなります。しかし省エネ効果が大きく、しかも耐用年数が長いので中・長期で捉えると結局は経済面でも断然有利ということになります。これからは、人の暮らしの向上と環境保全の両方の観点からもこうした高断熱・高性能住宅の普及を建築業界と行政府とでもっと積極的に推進していく必要があるのではないでしょうか。


○ 同じく都内のマンションにお住まいの宮崎さんご夫妻のお話

 もともと家の断熱に関心があったのですが、今のマンションのデベロッパーから説明を聞いて、これなら自分の求める条件にぴったりだと判断して購入を決めました。
 住んでみて、やはり自分達の選択は間違っていなかったなと日々痛感しています。冬場はほとんど暖房なしですごせます。外部の寒気をシャットアウトでき、自分たちの体温や電化製品から発生する熱などでどの部屋も常時18℃前後に保てるからです。こたつにもぐりこんでやっと寒さをしのぎ、風呂場やトイレで震えながら着替えたり用をたしたりしていた昔がうそのようです。また、以前に住んでいた賃貸マンションでは結露は当たり前のことと思っていましたが、いまやその悩みからも完全に開放されています。
 夏場もエアコンを1台ゆっくり回すだけで十分です。わが家ではネコを飼っていますが、留守中も室温が安定しているので冬も夏も安心して外出できます。

 実際に住んでみると、樹脂サッシと外断熱工法の躯体との組み合わせによる住まいの素晴らしさがよく分かります。樹脂サッシは断熱に有効とは聞いていましたが、正直、これほどとは思っていませんでした。また、室内にいると外の騒音はほとんど聞こえません。以前に住んでいたマンションでのテレビのボリュームは常に20でしたが、いまは10前後にすぎません。もっとも、昨年末に町内の餅つき大会がにぎやかに開催されていたのに全く気付かず、何気なく窓を開けて初めて知ることができて慌てたという笑えぬ笑い話もあります。

 新築住宅の新聞折り込みチラシなどを見ていても、住む側も売る側もサッシにはあまり意識を払っていないことがよくわかります。樹脂サッシを採用すると最初の資金は多少高くなりますが、長期にわたって快適な暮らしをエンジョイできるのですから費用対効果は極めて高いと言えるのではないでしょうか。
 ついては、デベロッパー、特にマンションのデベロッパーの方々には樹脂サッシと外断熱躯体の組み合わせによるマンションの普及にもっと力を入れていってほしいと思います。体験すれば誰もが満足し、そして口伝で、快適で高機能・高耐久住宅の普及にどんどん加速がついていくはずです。




○戸建住宅にお住まいの方々のご意見

 一方、東北地方で戸建住宅にお住まいの方々には、山形県鶴岡市で住宅建築業を営む(有)親和創建のご協力を得て合計6人の方々にアンケート用紙を配布して回答をお願いした。質問の内容は以下の4項目であり、それに対して計6人の方々から次のような回答を頂いた。

(1)樹脂サッシとペアガラスを採用した高断熱・高気密住宅の存在は以前からご存知でしたか。
(2)実際に樹脂サッシを採用した住宅にお住まいになってみての感想はいかがですか。
(3暖・冷房費用や光熱費を以前に比較するとどんなことが言えますか。
(4)建築業界や行政府、さらには一般市民に対する注文やご意見があればお聞かせ下さい。


〔加藤捷男さんからのご回答〕

(1)知りませんでした。施工業者から高断熱・高気密住宅について分りやすく丁寧な説明を受けて心を動かされ、採用を決意したのです。
(2)とても快適です。特に冬場は家の中全体が適温にバリアフリーされるので開放的で居心地が良く、心が癒されます。また気密性が高く、防音効果も優れていると言えます。
(3)電気のアンペア数を上げたのですが、電気料金は以前とほぼ同じです。高断熱・高気密効果が現われていると思います。
(4)最近の建築業界では高断熱・高気密住宅が当然のように言われ、現に着工件数も増加傾向にあります。しかし一般市民に取っては、真に高断熱・高気密住宅を施工できる技術を持った業者をきちんと選ぶことが何より大切と言えます。

〔伊藤芳勝さんからのご回答〕

(1)知っていました。新築の際にはぜひ採用したいと考えていました。
(2) 以前の住宅に比べると住み心地が一変しました。居室はむろんのこと浴室もお手洗いも全て同じ室温に維持できるようになったので、とても快適です。
(3)従来の住宅と現在の住宅とでは生活状態が異なるので単純な比較はできませんが、全ての点で予想を上回っていると言えます。
(4)単に個々の省エネ製品(例えば電気温水器、エコ給湯器、樹脂サッシ、ペアガラス等)の普及を図るのではなく、新たな建築施工法と様々な省エネ製品や技術を統合した省エネ住宅の建設を推進していくことが必要と思います。


〔加藤一幸さんからのご回答〕

(1)住宅雑誌などで知っていました。しかしもっと活発なPRがあってもよいように思います。
(2)とても快適です。冬場も、どの部屋に行っても温度差をあまり感じないで過ごせます。室内温度が18℃を下回ることがないので、朝起きるのが楽になりました。また、夏場は冷房がとてもよく効きます。
(3)以前は、光熱費が灯油、ガス、電気代全てを合わせて冬場だと月3万円近くかかり、しかも暖房している部屋以外は寒くて使えない状態でした。それがいまは、オール電化の採用で光熱費が電気代だけとなって1万5,000円から2万円弱ですみ、それでいて全部の部屋が寒くなくいつでも使えるようになったので光熱費にとどまらず生活環境の負担すべてが軽減できるようになりました。
(4)環境に対する意識が高まっている中で、住宅の省エネも極めて重要なテーマと言えます。それには住宅の性能を上げることが最優先課題となります。地球に優しい家、人に優しい家、そんな住宅が当たり前となる時代が早くくるよう期待しています。


〔大瀧晃・和香さんご夫妻からのご回答〕

(1)知りませんでした。サッシにアルミサッシ以外のものがあることも知りませんでしたし、家の断熱性を高める方法としては二重窓にすることぐらいしか思い浮かびませんでした。ましてや、住宅の開口部が家全体の断熱性を大きく左右することについてはまったく認識しないままきていました。
(2)特に冬場の身体の動きがこれまでと全く異なります。暖房器具がない場所では何もできないできたこれまでと違い、家の中のどこにいても心地よく作業ができ、身体面と精神面の両面で安らぎと充実感を感じています。結露や騒音の悩みなども全く感じないで過ごしています。
(3)これまでは、冬場にガス代がかさむのが悩みの種でした。しかし現在は、その悩みから開放されただけでなく家の中全体が24時間ほんのりと暖かく、しかも光熱費全体が軽減できたことを実際の数字で確認できて嬉しい限りです。
(4)高断熱・高気密住宅の良さは、実際に住んでみて体と心で体感できてはじめて理解できるのかも知れません。パンフレット等を使って高断熱・高機密住宅の持つ価値を正確に多くの人々に理解させるのは容易でないと思います。しかし、高断熱・高気密住宅の良さを実感している私たちの生の声が多くの人々に伝えられれば大きく一歩前進することになるように思われます。関係者の方々には、もっと身近で気軽な一般参加型の企画を検討していただきたいと希望します。


〔田中英嗣・百合子さんご夫妻からのご回答〕

(1)ペアガラスのことも樹脂サッシのことも以前から知っていました。家を建てるならこれしかないと考えていました。
(2)実際に住んでみて最初に実感したのは、家のどこにいても寒くないということでした。とても快適で、以前の暮らしがまるでうそのようです。結露も一切ありません。夏も、かつての灼熱地獄とはまるで無縁で、昨年の真夏もちょっと空気の入れ替えをするだけで全く問題なくすごせました。
(3)光熱費はまだまだ工夫(バルブの調整等)しだいで下がりそうですが、冬場は24時間ヒータを回しているにもかかわらず思ったより安く済んで喜んでいます。
(4)やはり肝心なのは施工技術だと思います。姉歯事件などで建築業界全体に対して不信感が広まっていますが、こういう時こそ本当に価値のある住宅を建てられる人材の育成が大切と思います。建築業界も行政府もそのへんを十分に考慮して適切な手を打っていってもらいたいものです。


〔齋藤剛志・秋恵さんご夫妻からのご回答〕

(1)全く知らないできていました。
(2)冬場でも家の中全体の温度をほぼ同じレベルに維持できるようになったため、身体にやさしい住まいだなと実感できています。また、結露も全くないので一層快適に過ごすことができています。それに、夏場に窓から差し込んでジリジリと肌を刺す暑い日差しに悩まされることもなくなりました。
(3)夏場の家の中が思ったより涼しくなったので、冷房時間を短縮できて冷房費が安くなりました。冬場も、暖房の設定温度を低くしても暖かく感じるのでコストダウンに繋がっています。
(4)住んでみて、はじめて樹脂サッシも含む高断熱・高気密住宅の持つ快適さが実感できました。建築業界や行政府の皆さんには、高断熱住宅が身体にやさしく、そして省エネが実現できて環境にもやさしい点などをもっと多くの人々に理解してもらうための努力をしていただきたいと思います。