2003年08月28日
高い省エネとCO2削減効果

 樹脂サッシで2枚ガラスの窓にすると、冷暖房が節減できるため、二酸化炭素(CO2)の発生量と電気代を4割ずつ減らせるー。東京大学工学部建築学科の坂本雄三教授は、樹脂サッシの省エネ効果についてこんな試算結果を示した。

 アルミサッシの1枚単層ガラスと、樹脂サッシの2枚複層ガラスを、延べ床面積40坪の住宅を例に比べてみよう。室内温度を全館夏27度C、冬18度Cに保つのに必要な冷暖房のための消費電力とCO2排出量を計算すると、樹脂サッシだと、東京で年間電気代は84,000円、CO2は2,704kg削減できる。冬場に暖房費のかさむ仙台だと、電気代103,000円、CO2は3,301kgと削減効果はさらに大きくなる。

 全国に数多く残り、今後、建て替えやリフォームの対象となる80年省エネ基準の住宅を3000万戸と仮定する。これらの住宅のすべての窓を樹脂サッシ複層ガラスに取り替えた場合、CO2の年間削減量は8,100万トンにのぼり、マンションなどの集合住宅を加えると削減量は1億トンに達するという試算もある。
 
 温室効果ガスの削減を義務づける国際条約の「京都議定書」は、2004春に発効する見込みだが、その場合、日本は2008年以降5年間の年平均排出量を90年の排出量との比較で6%(約6000万トン)削減する義務が課せられる。
 樹脂サッシへ切り替えるだけで1億トン減るとすると、ほかの温暖化対策を一切とらなくても、6%の削減目標は軽々と達成してしまうわけだ。
 
 一方、住宅の断熱(省エネ)基準は、80年、92年、99年基準と改定されたが、最大の欠陥が、基準に遵守義務がない点だ。住環境改革フォーラムの設立を呼びかけた塩ビ工業・環境協会の佐々木修一専務理事は、「99年基準適合住宅は、1割にも満たない」と説明する。

 CO2削減のための政府の「地球温暖化対策推進大綱」は、新築住宅の半数を、99年基準に適合させることを盛り込んだが、そのためには、樹脂サッシの普及が欠かせないのだ。