2003年08月28日
プロのこだわり「快適な住まい」

では一体、「快適な住まいの条件」とは何だろうか。
 東京小平市の一級建築事務所「マツミハウジング株式会社」の松井修三社長は「住み心地のいい家というのは、結局、構造と断熱に尽きます。あとは、住む人の選び方の問題だけです」という。
 
 松井さんは、『いい家が欲しい』(創英社・三省堂書店)など多数の著作で知られる、住宅建築界の第一人者で、長年にわたって個人住宅の建設を手がけてきた。「自然の通気を大切に」が持論。その持論を生かして設計した「ソーラーサーキット住宅」は朝日新聞の天声人語でも紹介され、話題を呼んだ。
 
 松井さんによると、いい家というのは、究極的には「健康で、快適に暮らせること」に尽きるそうだ。そのために最低限必要なのは

(1)結露、カビが生じにくい
(2)ダニが発生しない
(3)家屋内全室の温度差が少ない
(4)居室内の空気がいつもきれいである
(5)床下の環境が良好
(6)高齢者対応型である
(7)内外の騒音が遮断できる
(8)夏の高温、冬の乾燥に対応できる
などだという。

 こうした条件を満足させていく上でまず大事なのは、「断熱の方法」と「性能の良い窓」を選ぶということだと松井さんはいう。「断熱材にはいろいろな種類がありますが、性能、耐久性、あとのメンテナンスを考えると、発泡ポリスチレンが一番すぐれているように思う。窓はやはり樹脂サッシです」という。

 樹脂サッシは「何よりも気密性が高いのがいい。窓のつくりがいい加減だと、冬は冷たい風が入ってくるし、暖房しても熱の48%は外へ逃げていく。夏はその逆で、窓を通して71%(1992年省エネ基準による試算)の熱が外から入ってきて、その分クーラーの効きが悪く、エネルギーをむだにしている。樹脂サッシは気密性と断熱性が高く、それらをよくカバーしてくれます」。
 
 サッシといえば、ひところはアルミ100%のアルミサッシがほとんどだったが、アルミ製は、気密は保たれても熱を伝えやすいのが欠点。そこでヨーロッパで生まれ、現在では欧米はもちろん中国、韓国などでも標準的に採用されている窓枠を塩ビ樹脂化した「樹脂サッシ」が日本でも普及している。また最近、日本のサッシ業界ではアルミと樹脂を複合した「アルミ・樹脂複合サッシ」など、新しいタイプのものを次々と開発している。
 
 さんさんと降り注ぐ太陽の光をいっぱいに取り込み、外の景色を楽しみながら夏は涼しく、冬は暖かく、毎日を健康に快適に暮らす。そのためにも窓がもつ役割はとくに大切だ。最近はデザインの美しい窓枠もたくさん見られるようになった。「しっかり選んで健康に暮らしてください」と松井さんは言っている。