2002年01月08日
東北パイオニア、フルカラーの有機EL開発へ
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:シャープ、東北パイオニア、パイオニア

 東北パイオニア(石島總一社長、天童市)は、エリア有機EL(エレクトロニクス・ルミネッセンス)の生産で、世界トップの水準を保持しているが、引き続きフルカラー型の有機ELの開発に取り組み、注目されている。
 
 フルカラー型有機ELはガラスをベースとしたものとプラスチックをベースとしたものがあるが同社では開発の対象を両方に置いているといわれる。
 
 有機ELは自発光するためLCD(液晶)のようにバックライトがいらず、電力が大幅に節減できるという特性がある。同社は低温ポリシリコンTFTを用いたアクティブマトリクス型カラー有機ELパネルを開発、1997年のパッシブ型に次いで最近ではアクティブ型のディスプレーを商品化している。
 
 アクティブ型有機ELディスプレーはTFTにより、各画素を常時点灯させることができるため、低電圧、小電流で高輝度がえられる。さらにアクティブ型は駆動回路をパネル上に内臓できることから表示エリア周辺の配線エリアを狭くすることができ、パネルの小型化が図られるというもの。
 
 同社では、エリア型有機ELディスプレーをカーナビなどカーステレオの表示部や携帯電話用に国内外で販売、携帯電話用としてはすでに年間数十万台の規模に達しているもようである。
 
 この有機ELディスプレー用TFT基板の製造・販売では昨年、シャープ、半導体エネルギー研究所と合弁で「エルディス」を設立している。
 
 現在、開発中のフルカラー型の有機ELは速い応答速度、低電圧、低消費電力駆動などの特徴を持つ動画表示のディスプレーをねらったもので、プラスチックベースでフレキシブルな有機ELの開発が待たれている。