2002年12月24日
水素濃度や効率を高速分析、測定
STジャパンが燃料電池用に米から輸入へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:なし

 水素が使われる燃料電池の普及が進む中で、水素濃度や効率を測定するシステムが注目されているが、エス・ティ・ジャパン(03-3666-2561)は米国のユナイテッド・テクノロジー社系のハミルトン・サンド・ストランド社(本社・カリフォルニア州)からプロセス質量分析計「MGAシリーズ」の輸入に着手することになった。
 
 プロセス質量分析計はNASAが宇宙開発を目的に民間との共同で製品化したもので、プロセス・ガスクロマトグラフ法(PGC)のように試料を分離することなく高濃度からPPMオーダーの低濃度まで幅広いレンジをカバーする分析方法。
 
 イオンビームよるガスイオン化で、多成分連続同時分析が高速、高精度、高信頼性で行える。PGC法よりも短時間で(1秒で90%応答)測定できるという。
 
 同質量分析計では水素、窒素、酸素ばかりでなくエチレン、二酸化イオウ、硫化水素、メタン、アセトン、エタン、プロパン、二酸化エチレン、アルゴン、メタノール、アンモニア、塩化水素など幅広く分析、測定できる。
 
 動作原理ではターボ分子ポンプで常に高真空に保たれた分析計で、インレットリーク部にまずサンプルを導入、燃結部から極微量のサンプルをイオンソース室に入れる。サンプルのガス分子はイオンソースのフィラメントから照射された電子ビームとの衝突によりイオン化され、さらに500エレクトロンボルトで加速されイオンビームとして分析部に導く。
 
 イオンビームは分析部の偏向磁場で各イオンの質量対電荷比に応じた軌道で曲り質量別に分離される。
 
 分析計の特徴は(1)磁場セクター方式で構造が堅牢(2)長期安定性が高い(3)排気系のターボ分子ポンプが長寿命(4)2万時間以上の無磁化型フィラメントを二重化したイオン源の長寿命化など。
 
 MGAシリーズは磁場固定マルチ検出器型の「MGA1200型」、電圧走査方式の「MGA1600型」、二重収束型の「MGA I-SCAN型」などがあるがSTジャパンではMGA1200型を中心に輸入販売する。
 
 このプロセス質量計は国産されていないため、ことしのはじめに製鉄用に新日鉄、NKKなどが輸入した。同社では燃料電池を搭載する自動車が2004〜2005年には登場する見通しなので、来年から年間10台ていど輸入する計画。価格は1台1,800万〜2,000万円。