2003年02月03日
豊田自動織機が有機ELの製品化めざす
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:TDK、三洋電機、ソニー、東北パイオニア、パイオニア

 豊田自動織機(愛知県刈谷市)は、低温ポリシリコンTFTによる液晶ディスプレイ(LCD)に次いで、有機EL(エレクトロルミネッセンス)の材料およびディスプレイを製品化するため、研究開発を進めている。
 
 同社はソニーと共同出資により「STLCD」を1997年に設立、99年4月から低温ポリシリコンTFTのLCD基板生産をはじめた。同基板の現在の生産能力は月産3万2,000枚(600×720ミリ換算)で、8ミリビデオのビューファインダー用などの需要を中心に順調な出荷を続けている。
 
 有機EL材料およびディスプレイを生産するのもSTLCDとなるもよう。有機ELの様式は低分子系で高画質のアクティブ型と推測される。アクティブ型では低温ポリシリコンTFT(薄膜トランジスタ)がRGB(赤緑青)3原色のガスコントロールを行ううえで不可欠であり、低温ポリシリコンTFTの有効利用をはかるための有機EL進出とみられる。
 
 アクティブ型の有機ELディスプレイは東北パイオニアが先行、三洋電機も近く生産にはいる見通し。続いてTDKなども製品化を急いでいる。したがって当初のパッシブ型有機ELディスプレイは一部用途に限定されることになりそう。