2003年02月10日
三菱化学産資のチタン複合材、杭州市でも採用決定
大劇場の屋根材に約1万平方メートル、4月から納入
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三菱化学、三菱化学産資

 三菱化学産資が昨年春に世界で初めて開発したチタン複合材(商品名・アルポリックfr/TCM)が、北京の「中国国家大劇院」に続いて杭州市の「杭州大劇院」の屋根材にも採用されることがこのほど決定した。
 
 杭州大劇院は、杭州市建設委員会が今年9月完成を目指して建設中のドーム状多機能型大型劇場。この建物のうちの屋根の部分が三菱化学産資のアルポリックfr/TCMによって覆われることになる。今年4月から納入が始まる見通し。納入量はおよそ1万平方メートルとなる見込み。
 
 アルポリックfr/TCMは、耐火性に優れた樹脂と無機物を混合した芯材をチタンではさんで作ったサンドイッチ構造板。日本を含めた世界主要国で不燃材として認定を受けており、しかも軽く、強度が十分で、錆びないという同製品特有の機能と、独等の色調も合わせ持つ点が大きな強み。このため、開発早々各国の建築関係者の間で注目を集め、昨年末には中国国家大劇院建設委員会が縦・横各220メートル、高さ49メートルのドーム状超大型劇場の屋根材に同製品を採用することを決めた。採用量は約4万3,000平方メートル分となる。
 今回はそれに続く2件目の大型受注となる。同社には、米国その他の国からも引き合いが相次いでおり、現時点での引き合い総面積は約5万平方メートルに達しているという。