2003年03月04日
富良野で生分解プラ袋入りゴミの堆肥化がスタートへ
4月から専用コンポスト機が稼動、年200万袋分を処理
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三井化学、ユニチカ、生分解性プラスチック研究会

 北海道富良野市と周辺の4町村で構成する「富良野地区環境衛生組合」は4月から、同地区の各家庭から排出される生ゴミのコンポスト化を開始する。
 
 注目されるのは、住民に対して、生ゴミを排出する際にポリ乳酸を主成分とする生分解性プラスチック製の収集袋を使うことを義務づけている点だ。生分解性プラスチック製の袋に詰められて収集された生ゴミは、住友重機械が製作した専用の大型コンポスト機に袋ごと投入されて堆肥に変えられる。
 
 コンポスト機の処理能力は年間25トン、袋の数にして約200万袋となる。採用される収集袋は、生ごみの発酵熱によって2週間から1か月で自然に加水分解されるポリ乳酸を主成分とするもにに限定される。サイズは縦、横とも40センチ、容量は20リットル。厚みは25ミクロンに統一されている。
 
 袋には、住民が他の材料による製品と区別しやすいように生分解性プラスチック研究会の識別表示制度による「グリーンプラ」のマークが1枚ごとに印刷されている。この専用バッグは、三井化学、ユニチカ通商、大蔵工業の3社が昨年秋から納入を開始。動詞ならびに周辺の自治体の農協や一般の商店が10枚250円で販売中。
 
 同組合では、昨年7月から三井化学による製品17万7,500枚を使って生ごみの収集とコンポスト化の試験を続けてきたが、良好な結果が得られたため4月から本格的な活動に切り換えることにしたもの。これが引き金となって、生ごみの処理に悩む自治谷の間で生分解性プラスチック製の収集袋を採用しての分別収集とコンポスト化に乗り出すところが出てくる公算が強い。
 
 今回の納入の多くを受けもつ三井化学では、米・カーギル・ダウ社から輸入した植物由来(とうもろこしやビートなどによる)のポリ乳酸を原料に、食品向けフィルムシートや封筒窓、さらには食品ラップの鋸歯など様々な用途を開拓中。2年後には年間2万トンの販売を目指すとしている。