| 2003年03月14日 |
| EU委員会、化学品の新規規制案を5月に作成見通し |
| 既存と新規の両方に登録とリスク評価を義務づけ |
| 【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:なし |
欧州委員会は化学物質に対する規制を大幅に強化する方針を固めて関係部局と意見調整を進めているが、調整作業は難航しており、新規の規制案の取りまとめ時期は当初の予定より大幅に遅れて5月上旬となりそうだ。 同委員会では、原案を公表してパブリックコメントを募集したうえでEU委員会とEU会議に審議を求める考え。新規規制案は産業界や関連業界にとって極めて厳しい内容となる見通しであり、ドイツや英国などのように強い反発を示すところが少なくない。このため、理事会と議会における審議はかなり長期化する公算が濃厚と見られる。 経産省では、現在EU委員会が策定したいと考えている新規規制案の重要ポイントは合計5項目におよぶと指摘している。 (1)新規化学物質に加えて既存化学物質についても様々な内容の登録を産業界に義務づける。 (2)登録の際には、有害データや暴露データの提出に加えて、これまで政府が引き受けてきた既存化学物質のリスク評価の実施も産業界に義務づける。(3)リスク評価の義務は化学物質の製造・輸入業者だけでなくユーザー産業も負うようにする。 (4)発癌性などが懸念される化学物質については、個々の用途ごとに上市を認可するシステムを導入し、リスクが極めて小さいと産業界などが証明できない限り上市を禁止する。 (5)化学品を使用している製品に含まれる化学物質についても内容の開示を要求できる制度を検討する、の5項目が挙げられるとしている。 このうち登録義務については (1)製造業者や輸入業者に対しては、年間の生産量や輸入量が1トンを超える既存と新規の化学物質の基礎的情報(毒性データ、用途ごとの想定暴露量、初期リスク評価など)の登録を義務づける。 (2)ユーザー産業に対して、化学業界の想定以外の用途について用途ごとの想定暴露量や初期リスク評価などの実施を義務づける、といった内容のものにしたい考えという。 こうした内容の規制が実施されると、EU域内の化学産業だけでなく域外産業にも登録、評価、認可の義務が生じるなど大きな影響が出てくる。また、試験等の要するコストだけでも10年で21億〜70億ユーロに達するとの試算があり、総負担コストが極めて莫大なものとなる公算が濃厚でもある。このため、コスト負担に耐えられず小規模の化学企業の中に欧州市場から脱出するところが相次ぐ心配もある。 一方、わが国の産業も、EU向け化学品や関連製品の一部について試験コストの負担や輸出の断念といった影響を受ける可能性がある。このため、化学産業界としても行政当局と緊密に連携して必要な対策を講じていく必要に迫られるよう。 |