2003年03月17日
南京市から大型産業誘致ミッション
経済社会発展5ヵ年計画で呼びかけ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:BASF、旭硝子、シャープ、東レ、富士通、三井物産

 中国江蘇省の首都、南京市(人口640万人)が「経済社会発展5ヵ年計画」をかかげ日本をはじめ外資の誘致に動きだした。その手始めに今月中旬、蒋宏坤・南京市副市長を団長とする訪日ミッションが来日、東京、大阪などをまわり、同計画を政府、地方自治体、産業界などに説明、協力を求めた。
 
 同計画は2007年を目標に、経済力を中国省都クラス都市のトップレベルに引き上げることと国内総生産(GDP)を1995年末より倍増し、一人当たり国民総生産額を5,000ドル(2010年1万ドルを予測)にしようというもの。
 
 そして近代化都市を実現するため、都市化率を75%に、情報化水準を国内トップレベルに引き上げる。また、健全な市場メカニズムを確立し、商品市場をおよび所有権、土地、労働力、技術などの市場を構築して、平等な市場秩序を目指す。サービス型行政を確立するとしている。
 
 計画説明書、パンフレットなど数冊を全文、日本語で紹介するなど、同国からの訪日ミッションとしてはこれまでにない熱の入れようである。
 URL:http://www.e-nanjing-china.com
  :http://nsfi.nj.gov.cn 参照

 蒋団長は「南京市は中国の10か所の都会の一つで重要な文化都市でもある。経済社会発展5ヵ年計画では、産業の発展と都市の整備に重点を置いた。産業はとくに化学、自動車、電子が中心」と語っているが、同市はすでに1992年に江寧経済技術開発区を創設していらい、GDPが年率平均12%もの高度成長を続けている。同区は企画目標面積317平方キロのうち70平方キロにわたって開発が進み、21万人もの人口に達している。
 
 同区は南京市の南部に位置して、市内まで車で15分、運河が揚子江につながり、中国内航港最大の対外貿易港—南京新生港まで22キロの距離。ことしにはいって、同市二つ目の南京国際空港も完成、4月には成田—南京の直行便も飛ぶ。
 
 産業発展を支える重要な業種はまず石油化学。1983年9月にドイツのBASFと合弁で設立した揚子江石油化学公司はすでにエチレン年産120万トン(中国第2位)の設備を持ち、投資総額が29億ドルに及んでいる。化学では化学肥料産業も発展している。また、化学に次いで自動車、電子、建築材なども急速に伸びている。
 
 南京市での外資の事業はすでに6,000件を超す。日本の事業は362事業、契約額7億ドル、実施額6億ドルで、その多くは1,000万ドル以上である。主な投資企業は三井物産、伊藤忠、富士通、日商岩井、シャープ、東レ、太平洋セメント、いすず、旭硝子、神戸製鋼、大栄など。韓国も110事業、契約額3.39億ドル、実施額2.52億ドル。大宇、鮮京、LGなどと多い。