2003年04月02日
白色の近紫外LCD、けい光灯に代替へ
胃カメラへの応用研究も進む、犬に実験
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:なし

 電球(40W)の約8倍、けい光灯の約2倍の発光効率(1W当たりの明るさ)に相当する120lm/wていどの高光度を持つ発光ダイオード(LED)の実用化の見通しが当初の2008年より早まった。
 
 21世紀のあかり — 国家プロジェクトのリーダー(田口常正・山口大学工学部教授)によると、近紫外(nUV)LEDと3原色(RGB)けい光体の組み合わせによる新タイプの白色LEDは、けい光と類似の発光原理であるが、大気中で近紫外LEDからの特定波長の励起によってけい光体が発光するため、発光メカニズムは非常に単純であり、けい光体の物性制御、構造制御、新規材料探求によって白色光源の性能は飛躍的に向上する可能性があるとしている。
 
 現在、近紫外LED(380〜410nm)の外部量子効率は43%に達し、RGBけい光体を用いることで発光効率K=30lm/w以上で平均演色評価数Ra=93と優れた白色LEDが実現されている。また、オレンジ、イエローを混合した多色けい光体を用いることで、K>60lm/w、Ra>93以上の白色LEDも試作されている。LCDは普通の電球が平均1,000時間で寿命がつきるのに対し半永久的とされ、ランプ交換の手間が省ける。
 
 近紫外LEDの高率化とともにけい光体材料の光物性研究と低次元量子効果を考慮した変換効率の改善など、けい光体研究の今後に大きな期待がかけられている。外部量子効率は80%を達成する見通しがついているという。
 
 同プロジェクトはことし3月に第1期の研究を終え、目下、第2期にはいっているが、照明や高演色性を高めることで実用化を図る方針。構造制御と半導体(エピタキシャル、結晶薄膜など)の関係をさぐり、高性能化をはかる。
 
 田口教授は「医療への研究を進めている。犬にLED製のカメラを飲ませいい結果がでた。地球上ではじめて飲んだ犬ということになる」と新用途の開発に意欲をみせている。