2003年04月04日
有機EL素子、けい光からりん光へ
イリジウム錯体の登場で拍車かかる
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:住友化学、セイコーエプソン、凸版印刷

 白色の有機EL(エレクトロルミネッセンス)の発光材料にイリジウム錯体を用いて輝度の向上をはかる動きが活発化してきた。これはけい光からりん光への発光素子の切り換えを意味するもので、すでにセイコーエプソン、凸版印刷などが製品化に取り組んでいるが、ここへきて大日本インキ化学、コニカ、住友化学なども名のりを上げた。
 
 イリジウム錯体・Ir(PPY)3は、三重項励起状態の閉じ込めと散逸過程を経て輝度を4倍に引き上げるという「三重項エネルギー」を持つ。大日本インキ化学はイリジウム錯体にポリパラフェニレンπ共役鎖を導入して発光輝度をえた。信州大学谷口彬雄教授と共同研究。
 
 これに対しコニカはカルバゾール誘導体をイリジウム錯体に導入した。コニカとNHK放送技術研究所、東京理科大学の共同研究。
 
 凸版印刷、住友化学、セイコーエプソンは三重項発光で特許をもつ米・プリンストン大学と提携し、住化は合弁会社まで設立している。
 また、芝工大、日大、東京農工大なども新規イリジウム錯体を用いたEL素子の研究開発を手がけている。
 山形大院理工学部ではヘキサフェニルベンゼン誘導体をイリジウム錯体に導入したEL素子を研究している。
 慶大理工学部は主鎖に三重結合を持つ導電性ポリマーを陽極バッファー層と正孔輸送層に用いたEL素子、また、名大院工学部、東工大では新規ポリフルオレン誘導体を用いたEL素子の研究に取り組んでいる。

 これらはいずれも青色有機EL素子をつくったあと赤や緑の発光層で白色化するもの。素子の発光を高効率化することによって長寿命化、大画面化もはかれると期待されている。