2003年05月16日
晝間・電化社長「来期は過去最高の収益めざす」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:中外製薬、デンカ生研、デンカポリマー、電気化学工業

 電気化学工業の晝間敏男社長は15日の決算報告記者会見で、「03年度は増収増益を達成したが、収益基盤が整ったのでさらに機能材料などの得意分野を強化したい。来期は過去最高の収益をめざす」と展望を語った。主な報告内容は以下の通り。
 
(1)03年度は、とくに営業利益を意識して経営してきたが、そこそこの業績をあげることができた。今年は、SARSや電力問題などがあり、経営環境はさらに厳しくなるだろう。この1年を振り返って、一番ショックだったのはセメント事業だ。青海工場は立地に恵まれているのに、予想以上に収益が悪化した。ただ、特殊混和材は収益率が高い。これらは当社の基幹事業なので、収益があがるようにしていきたい。

(2)石化部門は、これまで売上規模は大きいが、収益面ではあまり寄与してこなかった。このため塩ビやスチレン事業をアライアンスし、ペレットを特化して、利益があがるよう戦略的に取り組んできた。昨年、それがようやくかたちになった。特殊品IP、透明樹脂、耐熱・耐薬品樹脂、クリアレンなど、いずれも順調に売上げ、利益を伸ばした。今後も拡大を図っていきたい。食品包材は安定している。OPSなどは増強工事を終えた。

(3)樹脂加工部門は、4月に東洋化学と合併した。売上げ、利益など当社の業績の25%を占める重要部門となった。今後この部門で拡大・再生産が追求でき、楽しみだ。一部利益が出にくい事業もあり選択が大事だが、デンカポリマー、デンカ化工とも一体となったグループの力で収益拡大を図っていきたい。

(4)電子材料のシリカは、一時市場が低迷していたが、今では8割方回復し、大牟田、シンガポール両工場ともフル稼働中だ。大牟田工場は過去10年、シリカ事業が支えてきた。これからもセラミックス素材を基軸として発展させていきたい。すでに再構築計画に取り組んでいる。

(5)医薬品部門では、デンカ生研はまさに絶好調だ。新薬「スベニール」は6月から中外製薬との2社体制となる。増設計画は順調に進んでおり安定した収益が期待できる。肥料・無機、有機化学品なども、これまでより悪くなる要素は何一つない。来期は連結売上高2,500億円、営業利益200億円、最終利益85億円と、過去最高の業績を目標にしているが、達成は十分可能だ。