2003年06月02日
日本ガイシ、圧電セラミックスのディスプレイ製品化になお時間
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:日立製作所

 日本ガイシはマイクロセラミックス技術で、世界初の圧電セラミックスディスプレイを開発、昨年春以降、製品化に取り組んできたが、画質などに問題が残っているため、なお半年ていどの時間をかけ、一部、小型画像ディスプレイの研究を見送ることで集中的な製品化をはかろうとしている。
 
 同社は公共空間や野外広告などに使う大型ディスプレイを120インチクラスで製品化する目的で、まず、昨年春に61インチのディスプレイを試作、発表した。同ディスプレイは圧電マイクロアクチュエーターを画素の駆動原としてメタアクリル樹脂製の導光板に画素を接触させたり、離したりすることで発光を制御する。セラミックスに電気を加えるとひずみができ、これを活用して操作する。

 構造は基本ユニットである9センチ角の小型パネルをタイルのように並べて構成する分割パネル型。同パネルには微細なセラミックスのマイクロアクチュエーターが高密度に集積されている。
 
 おもな特徴は発光ダイオード(LED)の画素ピッチに比べ3分の1(2.8ミリ)と高精細、1,670万色カラー表示で大画面に向く、白色表示も可能、画素の応答時間が高速(1ミリ秒未満)、PDPのように画面が焼きつかない、高輝度である、など。
 
 同社では、いまのところ画質に研究の余地があり、当初、予定したTV、パソコン用などの小型画像ディスプレイの製品化を保留して、大型の製品化を急ぎたいとしている。この研究開発について同社は日立製作所、現地市営地下鉄(名古屋)と協力している。