2003年06月06日
米国政府、ポバール調査「クロ」、国内各社は「冷静」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:クラレ、デュポン、電気化学工業、日本合成化学

 米国際貿易委員会(ITC)は5日、日本から輸入されている高機能樹脂「ポリビニールアルコール」(ポバール)に対して、国内産業に実害を与えているとして、アンチダンピング法による「クロ」認定を下した。この結果、クラレ、電気化学工業、日本合成化学工業、日本酢ビ・ポバールの4社に144.6%、その他の日本企業にも76.78%の高い反ダンピング課税が6日から適用されることが決った。
 
 調査は昨年9月、米国内メーカーのセラニーズ、デュポン両社からの請求に基づき、日本とドイツ品を対象に行ってきた。今回ドイツ品は、実害を与えていないとして「シロ」の認定となった。

 これに対する、日本企業の反応は予想以上に冷静で、クラレでは「適用範囲が汎用品に限定されている。日本から輸出しているのは大半が高付加価値をもった特殊品なので、それほど影響はないと思う」といっている。