2003年06月13日
ソニー、アクティブ型低分子有機ELディスプレイを来春から生産
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三洋電機、ソニー、東北パイオニア、パイオニア

 ソニーは12日、フルカラーで表示する小型の有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイを来年春から量産すると発表した。
 
 画素自体が発光する有機ELはバックライトが不要で、鮮明な画像が映しだせ液晶ディスプレイより薄くできるため、次世代のディスプレイとして期待されているもの。これまでに三洋電機や東北パイオニア、セイコー・エプソンなどが企業化計画を明らかにしており、ソニーの参入によって市場の開拓に拍車がかかりそうな状況である。
 
 ソニーは豊田自動織機と折半出資しているエスティ・エルシーディの敷地(愛知県東浦市)内に約90億円かけて2インチ換算で月産30万枚の量産設備を建設する。生産するのは低分子材料を使うアクティブ型のディスプレイ。
 
 上部電極に半透明のカソードを採用した独自のスーパートップエミッションを導入、完全固体デバイスを採用して高い色再現性、高コントラスト、高速応答性を実現している。デジタルカメラや携帯電話、カーナビなどモバイル機器用ディスプレイ向けに社内外で供給、販売する。
 
 同社は同ディスプレイの寿命などの性能を明らかにしていないが、将来は6〜7インチサイズ、10〜15インチサイズの生産を目ざす方針で、そのための技術開発にも取り組みたいとしている。
 
 なお、有機ELディスプレイの市場は2005年にはテレビ用などの大型を含め5,000億円規模の市場に発展するとの見方もでている。