2003年06月13日
帝人化成、ポリカーボネートを自動車のバックドアに加工
窓ガラス代替を含め一体成形
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:帝人、帝人化成

 帝人化成(03-3212-7731)は、さきに名機製作所と共同で、超大型射出成形機「MDIP-2100-DM」を開発、自動車の窓用、大型光学用(液晶ディスプレイ用の導光板など)を中心に新規用途拡大に取り組んでいたが、10月をめどに千葉のプラスチックテクニカルセンターに同機を設置してワゴン型自動車の「バックドアと窓」をポリカーボネート(PC)で一体成形、重点的に売り込むことになった。
 
 MDIP-2100-DM は4軸平行制御で高速に射出プレスしてプラスチックを成形する。サイズ1,800×1,800mmの大型製品の成形が可能、従来の射出成形機ではできなかったポリカーボネートの成形ができるようになった。同機は型締力が3,400トン、台盤サイズが3,100×3,100mm。
 
 ポリカーボネートは透明性、耐衝撃性、耐熱性などにすぐれ光ディスクやOA機器の筐体や電池のバッテリーケースなどに急速に伸びている。バックドアと窓の大型成形品は、一体成形することによって自動車の軽量化とコストダウンが実現できる。鉄鋼やガラス並の耐衝撃性や耐候性はすでに確認しているという。窓とドアが同一素材であるためリサイクルにも適している。
 
 帝人化成では大型成形機を光学用製品の大型化にも役立て、ポリカーボネートの市場を大幅に拡大したいとしている。帝人は海外生産を含めてわが国のポリカーボネート・メーカーとして最大の年産30万トン設備を持っている。