2003年07月02日
東北パイオニアなどアクティブ型有機ELディスプレイを2005年まで製品化
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:シャープ、東北パイオニア、パイオニア

 東北パイオニア(山形県天童市)、半導体エネルギー研究所(神奈川県厚木市)、エルディス(栃木県都賀郡都賀町)の3社は、共同開発中のアクティブマトリクス型有機ELディスプレイの製品化について、2005年を目標にしていることを明らかにした。
 
 これは20日から東京ビッグサイトで開幕した「第13回フラットパネルディスプレイ製造技術展」に、昨年5月発売のエリアカラー有機ELディスプレイ、このほど発売したパッシブ型フルカラー有機ELディスプレイに加え、アクティブマトリクス型試作品を出展し、山田昭一・東北パイオニア社長ら3社社長が「エルディス グループ」(ELDis Group)として発表したもの。
 
 また半導体エネルギー研究所はサブディスプレイを使わずに一画面で二表示が可能な「デュアルエミッションパネル」の試作品を出展した。同パネルは表示サイズ2.1インチ、
画素数は176×RGB×220で、6bitデジタル入力26万色の表示ができる。

 3社は半導体エネルギー研究所の研究開発力、エルディス(半導体エネルギー研、東北パイオニア、シャープの合弁)の高品質TFT(薄型トランジスタ)製造能力、東北パイオニアの有機EL量産能力を生かす形で提携し、有機ELディスプレイパネルの生産ではエルディスが量産ラインでTFT基板をつくり、東北パイオニアがEL蒸着・パネル化を行っている。

 アクティブマトリクス型の生産についてはすでに月産25万枚(中小型パネル)を所有しており、一部手直しなどで月産50万枚まで設備能力を増強できるとしている。パッシブ型の能力は現在、月産60万枚。
 
 山田・東北パイオニア社長は「現有設備でパネルを大型化するとすれば23〜24インチが限度なので、将来的には40〜60インチの大型化をはかる取り組みが必要だろう。61インチをめざす国家プロジェクトには参加することにしている」と語った。