2003年07月10日
日本政府、10日にEU本部に化学品規制に対する意見書を提出
貿易や投資に与える影響を強く懸念、問題点を指摘
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:なし

 日本政府は10日、EUの新たな化学品規制案に対する意見書をまとめてEU本部に提出した。これは、EUが化学物質のリスクの評価・管理の強化を目的に域内外の新規ならびに既存の化学物質について様々な規制措置を講じようとしていることに対して、問題点を指摘するとともに実現に先駆けて引き続き関係各国と意見交換するよう要請したもの。
 
 この中では、「人の健康保護と環境保全を図るという目的自体は理解できる」としながらも、「今回の措置がEU域内の化学産業やユーザー業界にとどまらず、日本を含む域外諸国の貿易と投資に対して及ぼす影響が懸念される」と指摘していくつかの問題点を明示、合わせてEU案に対する日本政府としての意見を具体的に表明している。
 意見の内容は(1)目的に照らして、事業者に対する過剰な負担を回避すべき(2)域内外の成形品や企業への無差別性を確保すべき(3)規制制度の国際調和の動きとの整合性の確保が重要(4)適用の統一性と透明性、ならびにEU加盟各国の公平性の確保が大切--の4項目。 
 このうちの(1)項については、「CSR(化学品安全性評価書)に求められている情報は産業界に多大な負担を負わせるものであり、現行のSDS(安全性データシート)の記載事項の見直しなどで対処すべき」と主張、その上で「“輸送される中間物”に関する義務緩和の要件として、使用先を2ヶ所までに限定すべきではない」「現行の制度で認められている“総代理人制度”を新たな制度でも存続させるべき」--といった意見も加えている。
 (2)項に関しては、「正式な規制案を決める前に具体的にどの産業のどの製品が義務の対象となるのかを明確にすべきであり、それができないなら製品中の物質の登録に関する規定は削除すべき」と述べ、また「登録におけるコンソーシアム内での試験コストシェアの調整は、製造・輸入数量を基礎として適切な調整が行われるよう公的な機関が関与すべき」とも指摘している。
 (3)項では、内分泌かく乱物質について「影響評価のための試験方法がOECDで検討されている段階なので、認可対象物質に取り上げるのは時期尚早」と断定、また、「域外のGLP試験所で取得されたデータも登録等に用いることができる旨を明記すべき」とも提案している。
 (4)項については、「欧州各国が評価を担当することとなっているが、各国の評価基準が明確でないので加盟国の判断によって追加試験等の要求が際限なく続くことがないような仕組みを作るべき」と強調している。