2003年08月21日
日商岩井方式、鉄鋼大手が採用へ
産業廃棄物、GPSを使ったインターネット追跡管理
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:富士通

 全地球測位システム(GPS)とデジタルカメラで産業廃棄物の処理工程を追跡管理する新システムが情報通信、家電、素材などの業界に本格的に普及する見通しとなった。
 
 このシステムは日商岩井がこのほど子会社のイービストレード(東京都千代田区)からシステムの運用を自社に移し、イントリーモデルを整えて販売を始めたもので、9月には鉄鋼大手が採用にふみ切るものとみられる。
 
 産業廃棄物の処理は2001年4月の改正廃棄物処理法が施行され、排出企業の責任が明確化されて、不法投棄に対する罰則が強化された。このため金属くず、廃プラスチック、建設廃材などの廃棄物を排出する企業では、その対応にせまられている。廃棄物を処理している企業にも不法投棄がなく、適切に処理している「証明」が必要になっている。
 
 日商岩井では関連会社のアースデザインインターナショナル(東京都港区)が持つGPSとデジタルカメラを使う追跡システム管理法を取り入れ、インターネットで産業廃棄物をデータ管理する「マニフェスト管理」を構築、すでにNTT、松下電産などに採用されている。

 具体的には廃棄物の運搬車両に搭載するGPS端末とデジタルカメラ、アースデザインインターナショナルのサーバー、排出企業のパソコンで組み立てられており、紙と電子の2つの方法に対応するが、電子マニフェストでは日本産業廃棄物処理振興センター情報処理センターにも自動的に報告される。輸送コースがGPS端末に記録され、到着時(廃棄時)の荷姿もデジタルカメラで撮影される。
 
 電子マニフェストは1件当たり月10万〜20万円。廃棄物処理費用の1〜2%になるもよう。廃棄物の追跡調査は富士通(バーコード方式)、NTTデータ(PD方式)などもシステム開発に取り組んでいるが、日商岩井が先行することになりそうだ。