2003年08月22日
松下電工が白色LEDユニット
明るさ10倍、照明用に来春発売
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:松下電工

 松下電工(大阪府門真市、Tel/06-6909-7187)は、高出力型の白色LED(発光ダイオード)ユニットを開発、照明器具・エバレッズシリーズとして2004年早々に販売をはじめることになった。
 
 同社では放熱性を在来品の約2倍に高めた低熱パッケージ(LEDチップが実装された発光基本構造部)を放熱基板と一体化することで光出力を約10倍アップし、40ワットの白熱灯照明器具に相当する300ルーメンの明るさを実現、さらに色温度のバラツキ幅を薄型けい光板を採用することで最小限に抑えたとしている。
 
 ランプ交換が困難な屋外建築の組み込み照明や高所の照明、また薄型化を生かした場所・用途などの市場を開拓する方針。

 LEDを裏返して実装する「フリップチップ実装」が微小光学部品採用による光取り出し効率を約2倍に高めるという成果につながった。

 LEDは小電力で点灯でき、器具の小型化も進められるほか長寿命(白熱電球の20倍強、約4万時間)、視認性良好などの特長があり、インパネ用バックライト、ハイマウントストップランプ、道路交通表示灯、携帯電話用バックライト、屋外用大型ディスプレイ、信号灯などに採用されている。

 松下電工のユニットはLEDチップを12個使って40ワットの白色電球とほぼ同じ300ルーメンを実現したわけだが、これによって照明用としての利用のメドがついたことになる。
 
 経産省の21世紀のあかりプロジェクトではLEDチップを1個当り120ルーメンを達成(2010年)しようとしているが、いまのところ30ルーメンどまり。
 
 なお、白色LEDは青色LEDに黄色のけい光体を混ぜるか、赤、緑、青の三色で白色をだすかなどで実現されてきたが、同社では黄色けい光体に替えて「薄型けい光板」を採用している。