2001年11月29日
住化-鐘化、「発泡アクリル樹脂」の試験発売開始
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:住友化学

 鐘淵化学、住友化学の両社は29日、両社が共同開発した発泡アクリル樹脂を来年上期中の本格販売に向け、このほど試験販売を開始したと発表した。
 
 新製品は、「カネパールAX(鐘淵化学)」、「スミペックスAX(住友化学)」の商品名で販売し、5年後を目途に、両社で年間約10億円の売上を目ざしている。

 新製品は、住友化学が長年にわたって研究・製造・販売を手掛けてきたアクリル樹脂と、鐘淵化学の重合技術・発泡技術をベースに、両社が共同開発した。
 
 新製品の主な特徴は次のとおり。

(1)燃焼時の発煙量や残渣が極めて少ないため、自動車エンジンなど鋳物の精密鋳造用のロストフォームに最適な材料である。消失鋳型模型、鋳造時に金属溶湯によりガス化して消失し、その形状がそのまま鋳造品に置き換えられる。従来の木型工法に比べ、工数の合理化が期待できる。

(2)優れた耐候性があり、従来のEPSでは困難な長期間にわたる屋外での使用が可能である。太陽光線が直接あたる農業資材や各種緩衝材、部材、造形材などへの発泡性樹脂使用が容易になり、水耕栽培容器、養蜂用の巣箱、育苗ポット、イチゴベッド、看板・外装(造形物含む)を含めたエクステリア、屋外で使われる家電機器の緩衝材、ロボットトレーなど多岐にわたる用途が期待される。

(3)EPSと同等の成形性を保有しているため、従来のEPSの成形設備をそのまま使用できる。