| 2003年10月16日 |
| 宇宙ロケット、安全への信頼性が重要 |
| 日本は有人飛行の必要なし、山之内宇宙研機構理事長が語る |
| 【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:なし |
宇宙航空研究開発機構(独立法人)の山之内秀一郎・理事長は16日、東京で「安全へのアプローチ — 新幹線と宇宙」と題し、講演を行った。 山之内理事長は10月15日の中国初の有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げ成功にもふれ、「宇宙船は新幹線のように試運転ができない。発射したら修理ができない。こうしたなかでの有人飛行なので中国のよろこびは、当然である。日本は宇宙船開発のレベルとしては全体として中国に遅れをとっているとは思わないが、安全に対する取り組みが厳しく、有人飛行は社会風潮からいってもむずかしい。新幹線はスタート以来42年も無事故で走り、世界的にも評価されているが、失敗に対してすぐ責任をとれといった声がでるような現状とは異なった時代背景があった」など大要以下のように述べた。 1961年4月、旧ソ連(ロシア)のガガーリン少佐が「ソユーズ」で宇宙飛行に成功、1969年には米国が「アポロ」を打ち上げた。この年、日本の宇宙開発事業団が発足、5〜6年かけて米国のライセンスを受けて N型ロケットを開発、さらに1990年には2段エンジン部分を国産化しH-1型をつくった。 現在はH-2型の時代だが、1号から29号までは連続して成功、ここへきて6,7号機(98年、99年)が失敗した。しかし29勝2敗の数字は、欧州が16回中3回失敗、中国が70回中8回失敗、米国が113回中2回失敗しているのに比べて日本がとくに劣っているとはいえない。一般的に宇宙ロケットは20回に1回は失敗しているといえよう。 日本のロケットH-2型は先端的で近代的なレベルにある。自動車でいうと中、ロはフォルクスワーゲン、日本はプリウスといったところか。人を乗せる以上、事故が起きてはいけない。中国は打ち上げでテレビ実況をしなかった。無重力で生きるための酸素、空気や炭酸ガス処理などの生命維持装置がどのようになっているのか。帰還の技術もそうだ。 中国は神舟5号に1兆5,000億円もかけていると伝えられている。42年前のソ連の技術を使って打ち上げたのは国威発揚、軍事力保持をめざしたものだろうが、日本では有人飛行は必要ない。 課題は安全で、これは失敗のノウハウから直すしかない。技術への挑戦をどうみるか、新幹線は高度成長期で国民の期待もあり、就業いらい42年も無事故。安全なものとして定着している。しかし、実際は設計されたものをトラブルの教訓で直した。250万キロメートルも試運転を行っている。 一般的に20回に1回とされるロケットの失敗だが、ロケットの研究開発は続けなければいけない。ただ、日本では安全面など納得しなければ打ち上げないし、冒険しない。ロケットの安全は信頼性を高める事前の管理やチェックが重要である。 |