2003年10月31日
旭化成のSM新設備が完工、12月から試運転
営業運転の開始は来年1月中旬の予定
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成、バイエル、ライオン

 旭化成は水島工場内C地区でスチレンモノマー(SM)の新プラントの建設工事を進めていたが、このほど完工して詳細チェックに入った。
 
 今回完成したプラントの生産能力は年33万t。同社では12月早々に試運転を開始、そし来年1月中旬から営業運転に移ることにしている。
 これに伴い同社のSMの総設備能力は、C地区の既存の同30万t設備とB地区の同15万tプラントを合わせて同78万tとなる。三星綜合化学の同65万tを抜いてアジア地域最大の設備能力を持つことになる。
 同社ではこれによって、中国を中心としたアジア地域全域の需要の拡大に的確に対応していく。アジア地域の需要は、PS、ABS、EPS、SBR、ラテックス、不飽和ポリエステルなど多くの誘導品の市場の拡大によって目覚しい伸びを遂げているが、旭化成の場合は供給能力が不足しているため満足に対応できないままきている。
 同社によると、アジア地域におけるSMの需給バランスは、昨年から今年にかけて年間100万tていどの供給力不足となっており、来年は米国や中東からの流入量がよほど増えないと不足量がさらに拡大する見通しにある。来年は旭化成に加えてライオンデル/バイエルが同64万tの、またLGケミカルが同12万tの増設設備をそれぞれ年初に立ち上げ、また、中国のクイルペトロケミカルが同14万tの設備を、そしてYNCCが同8万tの設備をそれぞれ第3・四半期に完成する予定だが、それでもなお拡大する需要をカバーできないというのが関係筋共通した見方となっている。