2003年11月18日
寧夏、外資系企業誘致に109件のプロジェクト
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:三菱重工業

 中国の寧夏回族自治区の訪日代表団(団長・張来武政府副主席)が11月18日東京・紀尾井町のホテルニューオータニで同区の投資協力商談会を開いた。
 
 張団長は「同自治区は中国西北部の黄河上中流に位置している。中国の5少数民族自治区の一つで、現時点で総面積6万6,400平方キロメートル、総人口が570万人、うち回族人口が3分の1を占めている。今回、化学、冶金、電力、食品、医薬、農・林・牧畜、石炭、建材、機械、電子、観光、インフラなど外資誘致のため109件のプロジェクトを準備した。向う10年間ほどは労務費の上昇はなく労働集約型産業の立地にも適している」など大要、以下のように語った。

 同自治区では50種類を超える鉱物があり、天然資源の潜在価値は全国平均の1.6倍。石炭、石灰、石油、天然ガス、珪砂、重晶石、鉄鉱石などが産出する。石灰の埋蔵量は中国第1位。天然ガス田は7,000億立方メートル余の埋蔵量が確認され、石炭は2,000億トンと予測されている。
 
 水力、火力、風力の発電力は230万キロワット、企画稼動総力は1,000万キロワット。年間GDPは過去5年平均で9%以上の伸びとなり全国平均を上回った。1人当たりの食料所有量は全国第4位。フランスのボアルダイより優れた高級ブドウやクコの実の産地としても知られる。
 
 同自治区の特徴は(1)中国政府が少数民族を重視し、すぐれた指導者を置いていること(2)鉄、アルミなどの資源が豊富なこと(3)山崎マザックの工作機、川崎重工、石川島、三菱重工業の鋳物など外資の活動が盛んなことである。企業誘致の目玉は銀川国家級経済技術開発区。
 
 多国籍企業では銀川中策ゴムの航空機車輌の修理工場(中国最大)や、ノルウエェーのカンタソーグループの炭素製品基地、山崎マザックのIC旋盤工場、香港金鷹グループ(8.8億元を出資)の5つ星ホテル、南アフリカが30億元を出資する都市森林公園などが活躍している。日系企業の合資投資は28社にのぼっている。
 
 同自治区は外資向けのインフォメーション窓口を開設、誘致事業の動向や政策情報を公表、事業項目を基準に政策を決めている。
 
 交通面では銀川河東空港に北京、上海、広州など十数余の大都市からの定期便が飛び、中部・南部を貫く「包蘭鉄道」、「宝中電化鉄道」が走り、南北は「石中高速道路」でつながれている。自治区には光ファイバー伝送網が敷かれ、通信ネットワークは世界200余国に及んでいる。