2003年11月26日
三菱化学産資、東京工場の操業再開へ
「アルポリック」の需要増に対応
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学、三菱化学産資

 三菱化学産資は、99年10月いらい運休中であった東京・青梅市郊外の同社・東京工場の操業を12月1日から再開することになった。12月いっぱい試運転し、年明けから本格操業を開始する。
 
 同工場は、同社特有の高機能積層建材(商品名・アルポリック)の表面と裏面を構成する2枚のアルミシートに着色ならびに耐食コートを施すための専用施設。年間120万平方メートルのコーティング能力を持つ。同社では、効率が低下した東京工場を99年10月に閉鎖して以降は、新潟県の直江津工場と長野県の上田工場で新鋭設備を使ってこの種の表面加工と仕上げのサンドイッチ加工とを並行して進めてきたが、内外の需要の急拡大に対応できなくなってきたため、急遽、東京工場の設備を大々的に補修して戦列に復帰させることにしたもの。
 
 同工場で表面加工されたアルミシートは、直江津、上田の両工場に搬送され、無機フィラー混入のHDPEとサンドイッチ成形されて最終製品に仕上げられる。
 今回の東京工場の運転再開によって同社のコーティングの総能力は、年間770万平方メートルに拡大する。現在の能力の18.5%増となる。同社ではこれに合わせて、直江津と上田の両工場の最終製品への仕上げラインも同じ規模に引き上げて、需要の拡大に機敏に適応していく考え。

 「アルポリック」の需要は、軽量・高剛性、表面の平滑性、易加工性、耐食・耐候性--等の特徴が評価されて世界各国で大きく伸びている。最近は、特に海外で大型建造物の壁面に採用される例が増えている。また、チタンと樹脂の組み合わせによる新品種も人気を呼んでいて、中国・杭州市と北京市がそれぞれ建設中のドーム型大劇場の屋根材に採用されることが決まり、順次納入が始まっている。
 
 同社では、今後もアルミ・樹脂複合、チタン・樹脂複合の両品種がともに新規大型建造物を構成する貴重な建築材料として内外で大きく伸びていくのが確実と予想している。