2003年11月27日
日清紡、ゼオライトとコットンとの複合素材『ガイアコット』開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:日清紡

日清紡績は27日、レンゴー(本社:大阪市北区 社長:大坪清)のゼオライト化パルプ技術を不織布や織物の繊維加工に応用し、ゼオライトとコットンの複合素材「ガイアコット」を開発したと発表した。

 ゼオライトは、アルミとケイ素、及びナトリウムからなる結晶性鉱物で、多数のミクロポーラスによって、優れたガス吸着能力とイオン交換能力をもっている。このため、除臭・除湿,生鮮物の鮮度保持,有毒ガスの吸着除去,抗菌剤等、多様な用途に利用されている。

 「ガイアコット」は、このゼオライトを、不織布や織物の染色加工時にセルロース分子内部に融合させた複合物で、従来のコットンとは全く性質の異なる、第2のコットン"無機化コットン"といえると同社では説明している。

商品の特徴は、以下の通り
(1)活性炭より優れた消臭性能:4大悪臭成分(アンモニア・硫化水素・トリメチルアミン・メチルメルカプタン)等に対し、優れた消臭性能を示す。

(2)ウィルス耐性も持つ抗菌性能:ゼオライトの陽イオン交換能力を利用して、銅や銀,亜鉛等の金属イオンを吸着させることにより、JTETCの規定する「抗菌防臭効果」及び「制菌効果」のいずれも持たせることができる。抗菌ゼオライトを27%以上含有した生地は、各種ウィルスの不活性化性(感染力をなくさせる性質)を示す。カビに対する抵抗性も実証されている。

(3)安全性:ゼオライトそのものは、家畜の飼料にも使用されるものであり、経口毒性や変異原性・魚毒性・皮膚感作性など、安全性は確認されている。

 同社では消臭性能と抗菌性能を活用して、高齢者の介護用寝装製品・医療用ユニフォーム・ペット関連の繊維製品、および、産業用包装材料・住宅建材・空調フィルター・浄水フィルター等の産業資材関連製品への展開を計画。初年度1億円/年以上の売上げを見込んでいる。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/031127nissinbo.doc

●写真
http://www.chem-t.com/fax/images/031127nissinbo.jpg