| 2003年12月04日 |
| 中国政府のMDI調査中止に業界の波紋 |
| 【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:なし |
中国政府(商務部)がMDIに対するアンチダンピング調査中止を発表したことで、業界の表情に明るさが見られている。経産省内にも「2001年12月のポリスチレン(シロ判定)以来、2年ぶりの成果といえるのでは」といった声が出ている。中国側からみれば、仮決定時のマージンを大幅に下げた、前回のTDIに続く“黒星”とも言えるわけだが、これを契機に、中国政府のアンチダンピングに対する考え方や運用に、何らかの変化が見られるかどうかが今後の焦点となってきた。 今回、MDIの調査を中止したことについて、中国政府は「申請者が調査申請を取り下げたため」と発表した。しかし業界関係者や経産省筋によると、2002年9月に中国政府が調査開始を公告してからの中国側の調査手続きや被害状況の判断のし方などにも、ずい分問題はあったようだ。 MDIには、ふつう精度によって、ポリメリックMDIと、モノメリックMDIの2つのタイプに分かれており、ポリは硬質ウレタンフォーム、モノタイプは自動車バンパー、塗料など非フォーム向けに使用されている。ところが中国側は、用途先も価格も異なるこの2つの製品をごちゃまぜにして調査していた。国内産業に与える影響や、ダンピングマージンなどを、どのように算定するつもりだったのだろうか。 日本側は、調査対象品目が適切でないと、すぐに気がつき、9月に北京で開かれた公聴会にも、業界代表とともに経産省担当官が出席して「ガットルール違反だ」と、強く主張した。TDIの場合にも、同じようなことがあった。経産省内には「ダンピングの判断そのもの不当だし、マージン算出の根拠もおかしい」と不満が高まり、一時はWTOへの提訴を本気で考えたほどだ。 結果的には、中国は最終決定段階でマージンの大幅削減を決めたが、「これからは中国政府も安易にダンピング調査を“乱発”せず、WTOルールを尊重して、慎重に取り組んでいくようになるのではないか」と期待する声は、業界内外に高い。 |