2003年12月16日
DICと旭化成、二軸延伸PSシート事業を統合
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成、旭化成ライフ&リビング、大日本インキ化学工業、電気化学工業、三菱化学

大日本インキ化学工業(DIC)と旭化成ライフ&リビング(旭化成L&L)の両社は16日、2004年4月をめどに両社の二軸延伸ポリスチレンシート(OPSシート)事業を統合すると発表した。折半出資の新会社を設立し、効率化によって競争力確保を目指す。
 
 OPSシートは、主にスーパーなどで販売されている透明な食品容器に使用されているが、日本人の食生活の変化もあって市場は着実に伸び、2002年の需要は16万5,000トン(前年比4%増)と増えている。しかしメーカーは6社と多く、競争の激化から採算性の維持が困難な状態となってきた。
 
 両社は、それぞれ同事業では30年以上の実績をもち、これまで合理化に努めてきたが、さらに効率化を図るには、事業統合したほうが得策と判断した。生産、販売、技術の各面でシナジー効果を発揮していく方針。生産面では、旭化成L&Lは大型設備、DICは小回りの効く設備を多系列もっており、統合によって効率化が図れる強みがある。
 
 DICは滋賀県甲賀郡に年産約4万トン設備を持ち、国内シェアは24%、旭化成L&Lは三重県鈴鹿市にほぼ同規模の工場があり、国内シェア21%。新会社は統合により2007年度150億円の売上を目指す。
 
 同業界メーカー6社の国内シェアは、現在三菱化学がトップで2位DIC、3位旭化成L&L、4位に電気化学工業の順だが、2位と3位会社の事業統合でトップシェアとなる。
 
【飯田茂・大日本インキ化学工業常務】
1970年から30年以上OPSシート事業を続けてきたが、採算的に苦しくなってきた。食品容器というのは品質はもちろんだが、コストが安くできることが大事だ。これまでにもいろいろな合理化をやってきたが、限界にきていた。いいパートナーを得たと喜んでいる。

【能村義廣・旭化成ライフ&リビング社長】
OPSシート事業は、昭和43年に年産3,500トンでスタートした。将来のことを考えると、単独でやっていくのは難しいと考えていた。生産、販売、研究開発などあらゆる点からみて両社の組み合わせはベストミックスだ。競争力をもった事業にしていきたい。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/031215dic.tif