2004年01月08日
ポラテクノ、プロジェクター用偏光板の米社買収
LCDの大画面用、ガラス基板にアルミ蒸着
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:日本化薬

 LCD(液晶表示装置)用の耐久偏光板大手であるポラテクノ(高瀬光市社長、新潟県板倉町、TEL/0255-78-4700)はナノテクベンチャーのモクステック(ユタ州ノースオレン)を買収することになった。

 買収金額は明らかにしていないが、モクステックは資本金274万ドル、年商約900万ドル、従業員約60人でブリガム・ヤング大学のX線解析技術をベースに1986年に設立された。1月中にも手続きを完了する予定。社名はモスクテックを引き継ぐ。

 ポラテクノは米子会社とモクステックを合併し、全額出資の子会社とする。これによりモクステックが独占的(世界市場の80%)に保持している次世代の大画面プロジェクター用偏光板事業を手中におさめ、欧米などの需要増に対処する体制ができる。

 通常の偏光板はポバールなどを主原料とするフィルムだが、モクステックの技術はガラス基板にアルミを蒸着する。耐久性や耐熱性にすぐれ、高精細な画像が表示できることから、次世代リア型プロジェクター用として需要が急増している。

 これまではポラテクノが、モクステックとアジア地域での加工・販売を行うため01年から提携してきたが、買収で新社が昨年の売り上げ約6億円を、07年には60億円に拡大できると予想している。モクステックの生産能力は5インチウエハー換算で年15万枚。
 
 モクステックは光学部材のほかにX線解析用部材をもち、在来の分析機器向けのほか、生体分子構造の解析、環境ビジネスなどの用途開拓も行う。

 なお、ポリテクノは日本化薬55%、有沢製作所45%の出資で91年に発足。資本金12億4,000万円、年間売り上げ約200億円、従業員約300人。