2004年01月09日
住友化学、MMA押出板の増設装置の本稼動を開始
導光板の需要の拡大に対応、全体の生産性も向上
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:住友化学

 住友化学工業は、年明けから同社愛媛工場内でMMA押出板の新設備の本稼動を開始した。
 今回営業運転に入ったのは、需要が内外で急速に伸びている導光板用の専用ライン。生産能力は年1万t。この結果、同社のMMA押出板の総生産能力は5系列合計で同2万7,000tとなった。MMA押出板メーカー4社の中の最大規模となった。同社では、このうちの同2万tを導光板向けに活用していきたい考え。
 
 MMA導光板の需要は、国内のみならず韓国、台湾、タイ、マレーシアなど他のアジア諸国でも液晶モニター向けに02年春以降急拡大している。しかし、押出板や成形材料の設備能力が不足しているためアジア地域全体の需給バランスは極端な逼迫状態が続いている。住友化学は、こうした事態を打開すべく昨年6月に愛媛工場の成形材料設備を同1万t規模増強して同5万5,000tに拡大、さらに押出板についても今回1万tの増産体制を整えたもの。
 同社はMMAについては、モノマーから成形材料、押出板、注型板にいたるまでの一貫総合企業化体制を確立しており、国内のみならずシンガポール、韓国、タイにも生産拠点を設けている。今回の一連のポリマーの増産体制の確立によって、MMA製品全体の需要の拡大に対する対応力はかなり強化されたと言える。また、新鋭装置が加わったことで全体の生産効率の向上も図られることになった。
 しかし、需要がかつて同社が予想していた以上のピッチで伸びているので、シンガポールの原料モノマープランントの同8万t増設が完了する05年7月まではポリマー全体の需給はタイトバランスのまま推移すると同社では予想している。