2004年01月28日
中国の成長は自動車、マンション、海外旅行がリード
民族資本も台頭、郷鎮企業中心に
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:ホンダ

 中国経済の伸長は引き続き大きく、2010年ごろまでは年平均7%の伸びが期待できるといわれている。為替問題(元の切り上げ)などがあるにしても世界の工場、マーケットとしてのウェートはますます高まる見通しである。
 
 こうしたなか中国の経済をリードする産業についてみると第1は自動車とみられる。2003年の自動車普及台数は、対前年80%増の450万台、うち乗用車が200万台だった。本年は550万台、うち乗用車が300万台を超える見通しだ。
 
 自動車を供給するのは第一汽車、上海汽車、東風汽車の3大グループで、これにホンダ(広州)、金杯(遼寧)が続く。中国の自動車メーカーはかって100社を数えたが、現在は30社ていどに減っている。
 
 日本勢では昨年OEM(相手先ブランド)の三菱自動車がトップ(14万台)。これにホンダの12万台、トヨタ9万台、日産の8万台、マツダの7万台が続いている。自動車の需要を支えるのは、上位平均所得が5,000〜6,000ドルに達した上海が中心。沿海の都市では1,000ドルていどだが、購買意欲は高いといわれる。
 
 自動車に次ぐのはマンション。広さ120〜150平方メートルが中心、日本でいえば「億ション」といわれるものも続出している。マンションブームは3年以上前から始まっていたが、現在は大規模化が特徴である。地方都市でもブームが続いているといわれる。このため鉄鋼や建材、内装材の需要が盛んである。
 
 第3は海外旅行で、いまのところモルジブや東南アジアが人気のようである。
 
 冷蔵庫、エアコン、カラーテレビ、携帯電話、パソコンなどの電気、通信製品はブームといわれた時代は終ったが、新製品については強い関心がよせられている。「三種の神器」はいま、自動車、マンション、海外旅行ということになる。
 
 また、民族資本の活動も盛んになってきており、温州(浙江省)の100円ライター(シェア世界の70%)をはじめとする日用品、東莞(深セン)の電気製品がモデルといえる。その代表は地方企業の「郷鎮」であり、「企業家」意識の高まりが注目される。