2001年11月19日
経産省研究会が報告「塩ビ管産業は過剰設備対策急務」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:クボタ、シーアイ化成、積水化学工業、三菱樹脂、経済産業省

 経済産業省化学課は19日、8月から検討してきた「塩ビ管産業の課題と将来展望に関する研究会」の報告書をまとめ発表した。それによると、今後塩ビ管の需要は住宅着工戸数の減少や下水道の普及によって“漸減傾向”が続くと予想、塩ビ管メーカー(11社)は現有生産能力67万トンに対して10年後の2011年には28万トンの大幅な過剰設備が生じるとしている。このための対策として「各社はグローバルな競争も視野に入れつつ企業同士の大胆なアライアンスを推進する必要がある」と指摘している。
 
 研究会メンバーは、大久保尚武積水化学工業社長を座長に、クボタ、三菱樹脂、シーアイ化成など、業界団体である塩ビ管・継ぎ手協会加盟全11社の社長で構成、事務局を経産省の本庄孝志化学課長が務め、8月から3回にわたって検討を行ってきた。
 
 報告書は、塩ビ管産業を巡る状況、事業の現状、中長期需要予測、今後の課題と対策の4章からなっている。主な内容は次の通り。 
 
 [塩ビ管設備と稼働率]
 塩ビ管産業はシェア競争による設備の増強と過剰設備縮小のための廃棄を繰り返してきた。「産構法」(昭和58年)当時は設備廃棄や4グループ化による事業提携が実施されたが、その後再び増加、平成13年3月の調査時点では、67万トンの製造能力となっている。平成12年の需要46万トンに対して21万トンの供給余力があり、稼働率は70%まで低下した。
 
 [損益状況]
 塩ビ管製造業11社のうち8社は主力事業と位置づけ、3社は非主力事業となっている。主力としている8社のうち5社は不採算部門としている。11社の全部門の平成12年度の売上高は15,939億円、経常利益521億円なのに対し、塩ビ管部門の売上高は1,188億円、経常損益は0.8億円の赤字となっている。製造総コストを100とした場合の構成比は原材料費49、労務費6、減価償却費5、物流費5など、原材料費が約半分を占める低付加価値製品であることが見てとれる。
 
 [需要見通し]
 塩ビ管の総需要は平成8年の49万8千トンをピークに公共事業の削減や住宅着工の低迷などによりここ数年46-47万トン前後で推移している。中長期見通しを各種統計、産業界からの情報を基に用途別に推定したところ平成18年度は42万トン、23年度には39万トン程度まで減少すると予想される。製造能力67万トンと比較した12年度の供給余力21万トンは23年度には28万トンに拡大する。
 
 [アライアンス]
 今後はグローバルな競争も視野に入れつつ企業同士あるいは大手企業を中核とした、大胆なアライアンスが必要となっている。アライアンスを検討する際には企業風土、企業戦略のほか生産拠点の位置関係・規模,流通・補完性などを考慮する必要があるが、具体的には業界で主導的な地位を占める企業を中心としたアライアンス、それ以外の企業によるアライアンス、ニッチ市場を追求する個々の企業といった形に集約される方向がのぞましい。手段としては、完全な事業統合、子会社化した後の事業統合、事業交換・営業譲渡などがあり得る。
Content-Disposition: form-data; name=IMAGE; filename=
Content-Type: application/octet-stream