2004年03月01日
中国無錫市が日本企業を積極的に誘致
2003年の投資額は前年比50%増の16億ドル
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:シャープ、住友商事、ソニー、東芝、日立マクセル、ブリヂストン、古河電工、丸紅、三井物産、三菱商事

 中国江蘇省の無錫市は2003年に同市に進出した日本企業が125社(累計で830社)、契約ベースの投資額(払込み)が15億8,000ドル(対前年比50.7%増)と急増、友好ムードが高まっていることから、今後も積極的に日本企業の誘致をはかることになった。

 同市にはすでに住友商事、丸紅、三菱商事、三井物産、伊藤忠などの商社のほか、ソニー、シャープ、松下電器、東芝、古河電工、日立マクセル、ブリヂストンなどの大手国際企業が進出し、とくにソニーと住友商事(市と合弁で工業団地を造成)が現地に融合した活動を行っている。

 ほかに外資では米国GE、コダック、ドイツのシーメンス、ボッシュ、韓国のLG、サムスンなどの外国籍企業が、電子情報、バイオ医薬、新材料、精密機械、自動車・部品などの分野で活躍している。外国勢の企業数は昨年末で8,000社に及び53件の工場や研究開発センター、セールスセンターなどを設置している。

 無錫市は「江南の名城」といわれた呉の文化発祥の地。人口438万人で工業総生産高が3,284億元(1元は15円)、1人当たり平均のGDPは4万3,155元(5,200ドル)、対外輸出額73億ドル。省轄市で江陰、宜興の2市と錫山、恵山、浜湖、新区、定安、南長、北塘の七区を管轄している。

 長江(揚子江)デルタの真中に位置し、南に太湖、北に長江を臨み東も上海まで128キロメートル、西の南京まで183キロメートルの距離。市の面積は4,650平方キロメートル、市街区は1,622平方キロメートルである。中国の15の経済中心都市の1つでもある。この中で製造業のレベルは7番目と高い。

 交通は上海南京鉄道のほか新長鉄道と建設中の鉄道があり三角点の中心。道路も高速道路が3本、ほかに国道などが数多くある。電力、水などの供給にも問題がないという。

 日中の経済協力で次の発展をめざす同市は先週、訪日代表団が来日し、「2004年無錫・東京経済発展フォーラム」を開き、団長の王栄・同市政府委員会書記や貢培興・同市副市長らが、今後の計画を語ったが、王団長は(1)中日交流の基礎がすでにできていて、ハイレベルの協力が期待できること(2)同市の市民は家庭で日本製品を半分以上が使い信頼関係ができていること(3)長江デルタ地帯は投資コストが安く、競争力があること(4)進出企業への市政府のサービスの質が高いことを強調した。

 また、製造業で電子情報およびソフトウエア、機械電気一体化と自動車、高級紡績およびアパレル、新材料、生物医療、サービスなどの産業の育成や中小企業の進出歓迎を打ち出した。
 
 同市は無錫国家新技術産業開発区、宣興環境保護科技開発区、江陰経済開発区の3国家級開発区のほか5ヵ所の省級開発区を整備している。
 
 省級ではアパレルの錫山経済開発区、自動車および部品の恵山経済開発区、精密機械のレイ園経済開発区などがある。
 
 教育では7か所の大学、56か所の技術専門校があり、日本語学校もふやしている。また、国際観光業にも熱心だ。日本人の同市在住者は1,200人を越えており、27ヵ所に邦人用のスーパーマーケットがある。
 問い合わせは国際貿易促進協会(Tel:03-3506-8261)

●参考記事
http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.cgi?CODE=12905

●地図
http://www.chem-t.com/fax/images/0229map.tif