2004年03月01日
住友化学、韓国・台湾で偏光フィルム製造ライン増設
ー液晶表示材料ビジネス拡大へー
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:住友化学

 住友化学は1日、液晶パネル用の重要な部材である、「偏光フィルム」の供給能力を増強するため、韓国と台湾にそれぞれ原反から製品化まで一貫生産できる新製造ラインを増設すると発表した。近く現地で着工する。

 同社は、情報電子分野を最重点分野の一つと位置付け、積極的に戦略投資を行っているが、とくに液晶表示材料では、韓国でのカラーフィルター工場や、韓国、台湾での偏光フィルムの一貫生産工場の建設を積極的に進めてきた。今回はこれらに続いて、偏光フィルムの第二期製造ラインを建設するもので、需要家からの強い増産要請に応えたという。

 生産能力はそれぞれ年間400万平方メートルで、ともに本年12月末完成の予定。設備投資額は、用地の取得・整備コストを含めて総額200億円。

 韓国では、同社の情報電子材料の生産・研究拠点である平澤ピョンタク工場の隣接地に新たに用地(15万平方メートル、既存と合わせて30万平方メートル)を取得し、東友光学フィルム社が3月中旬をめどに建設をスタートさせる。韓国での生産能力は合計年間800万平方メートルとなる。

 台湾では、住華科技(股)有限公司が、現在建設中の第一期工場(今年3月完工予定)のある台南サイエンスパーク内に新製造ラインを建設する。増設後の能力は韓国と同じ年間800万平方メートル。

 これらが全て完成すると、同社の偏光フィルムの総生産能力は、国内と合わせて年間2,400万平方メートルと、世界有数の規模となる。中でも液晶表示部材の需要の伸長が著しい韓国・台湾でトップクラスの生産能力を有することになる。同社は、近く中国で生産体制を拡充することも検討している。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/0301sumitomo.pdf