| 2004年03月01日 |
| 住友化学・米倉社長が会見、04〜06年度中計を発表 |
| 高収益体質の実現等で06年度に連結営利1,200億円目指す |
| 【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:住友化学 |
住友化学の米倉弘昌社長は1日記者会見し、04〜06年を対象期間とする中期経営計画の概要を明らかにした。 同計画は、2010年における連結純利益目標を1,000億円とする長期経営目標を実現するための第1ステップと言えるもの。 はじめに米倉社長は基本理念と同計画の基本方針について「目指すは、“真のグローバルケミカルカンパニー”であり、その実現のために(1)株主の期待に応える高収益体質の早期実現(2)財務体質の一層の健全化(3)業務革新の徹底(4)グローバル連結経営の充実(5)CSR(企業の社会的責任)の推進--の5項目を着実に実行に移していきたい」と説明、そして、それによって「06年度の業績として、連結売上高1兆3,300億円、同営業利益1,200億円、同純利益650億円--を目指していく」と高収益企業の早期実現に対する強い意欲のほどを披露した。 米倉社長の発言内容は概要次の通り。 ▽今回の中計の基本方針のうちの「高収益体質の早期実現」については、(1)選択と集中の徹底(2)高付加価値へ品のシフト(3)グローバル化の推進--の3点を重要課題に掲げていく。 ▽選択の集中の徹底に関しては、医薬を中心としたライフサイエンスおよび情報電子分野への集中投資によって目標を確実にクリアしていきたい。医薬事業の拡充に当たっては、連結ベースの提携で優れた相手が見つかればぜひ手を結んでいきたい。 高付加価値品へのシフトに当たっては、ポリオレフィンなどの高付加価値化と農薬や情報電子分野での川下展開、ならびにソリューションビジネスの強化などによって収益性を改善していきたい。PPについては、05年の定修時に年8万tプラントの廃棄を前提に大型新鋭設備を建設してコスト競争力の強化を図る方針だ。 また、グロ−バル化の推進では、海外拠点を充実させ、特に高成長が期待されるアジア市場での事業の拡大を加速させていきたい。シンガポールの第3期石油化学計画については、原料高が続く中でいかにして収益を確保していくかをシェルとも十分に意見を交わしながら検討中のところだ。実現は08年となろう。中国には、医薬やMMA押出板などで積極的に進出していく考えだ。家庭用殺虫剤の供給体制の強化も図っていく。 ▽06年度の連結営業利益として1,200億円を確保するには03年度の利益に520億円を上乗せすることになる。これは、合理化と拡販その他で370億円、固定費の減少で150億円を計上することで実現していく。 基本方針の一つの「財務体質の一層の健全化」に当たっては、06年度における株主資本比率現在の32%から35%に引き上げ、D/Eレシオは現在の1.1倍から1.0倍以下に改める。ROEの目標は12%に置いていく。 ▽各事業部門の06年度の業績については、情報電子化学部門=売上高2,500億円、営業利益230億円。農業化学部門=売上高1,800億円、営業利益230億円。医薬品部門=売上高1,800億円、営業利益310億円。精密化学部門=売上高900億円、営業利益90億円。石油化学部門=売上高3,500億円、営業利益190億円。基礎化学部門=売上高2,200億円、営業利益110億円--を目標にしていく。 |