2004年03月09日
中国、2010年の自動車需要、1,000万台見込む
合弁進みトップは3グループに集約化へ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、三菱商事

 中国は自動車・部品産業の育成に重点を置き、外国勢との合弁、業務提携を積極的に進めようとしているが、これに対し欧米勢や日本勢の攻撃も激しさを増し、向う4〜5年で中国国内での主導権争いに決着がつきそうな見通しとなってきた。

 中国での自動車の普及台数は2003年で450万台(対前年比80増)、うち乗用車は200万台だった。2008年のオリンピック、2010年の万国博までは今後も順調に伸びるとみられており、中国筋は2010年1,000万台を見込む。これに対しトヨタ自動車は2010年で800万台は固いとし、このうち10%のシェア獲得を目指している。

 中国はこれまで国内メーカーによる国産化を奨めてきたが、自動車の普及にともなって、国民の好みも外国車に移り、マーケットも買い手の意向にあわせる傾向にある。かっては中国の国産メーカーが100社以上もあったが、現在では30社ていどまで集約され、さらに技術提携や合弁によって技術の向上を進めようとする動きが活発化している。
 
 目下、トップグループを形成しているのは日産自動車、ホンダ、シトロエンなどと提携している東風グループ、GM、フォルクスワーゲンなどとの上海グループ、トヨタ、フォルクスワーゲンなどとの第一汽車グループの3グループ。これに次ぐメーカーも金杯などのように外資との提携に動いている。

 日本勢では昨年の中国での生産をみると低比率の合弁やOEM(相手先ブランド)の三菱自動車が14万台とトップ。これにホンダの12万台、トヨタの9万台、日産自の8万台が続くが、OEM方式の三菱自動車は現地勢に歓迎されているのかも知れない。現地勢は車体、ブレーキ、クーラーなどの部品やゴム、プラスチック・加工などの材料を外国勢との合弁あるいは単独での進出を期待するようになっている。

 三菱自動車の場合、ハルビンのHDMC社(東安動力36%、ハ飛15%、三菱自動車15.3%、三菱商事5.7%、他28%の出資)で1.3〜1.6リットルのエンジンとトランスミッションを生産、また瀋陽のSAME社(航天汽車30%、建華21%、三菱自動車25%、三菱商事9.3%、他14.7%の出資)で2.0〜2.4リットルのエンジンとトランスミッションを生産している。
 
 ディストリビュ-ターの生産では大連、天津、上海に各100%出資の三菱汽車を設立している。広州の三菱汽車は三菱自55%の出資。完成車では福建省に東南汽車(CMC50%、中国側50%、三菱自は生産委託で出資なし)、冷水灘にCFA社(長豊集団47.5%、三菱自19.95%、NIC4.5%、他28.05%の出資)がある。(HDMCはハルビン東安自動車製造、SAMEは瀋陽航天三菱汽車発動機製造、CFAは湖南長豊汽車製造の略)
 
 中国での自動車生産は2003年度15万台(2002年度は7万5,000台)、07年度で30万台を見込む。今後は合弁の出資比率を高める方針。ディラーは昨年の60店から05年には100店に増やす。店舗はダイムラーベンツと共同運営。