2004年04月12日
汎用4樹脂の価格決定、“ナフサスライド制”に急傾斜
家電部品やコンテナー加工企業等、多くが受け入れへ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:PSジャパン、住友化学、日本ポリプロ、三井化学、財務省

 樹脂価格を原料ナフサ価格の変動にスライドさせて決定するいわゆる“ナフサスライド制”が汎用4樹脂(ポリオレフィン3樹脂とPS)の市場で急速に広がりはじめた。樹脂メーカーの懸命の説得を受け入れる加工メーカーやエンドユーザーがここにきてにわかに増えてきたことによるもの。
 
 最近の樹脂メーカーの中には、三井化学、日本ポリプロ、PSジャパン、住友化学工業などのように、総販売数量の50%前後について同制度を適用していける見通しがはっきりついたと述べるところが少なくない。そして、早々と4〜6月期分から、1〜3月期の想定ナフサ価格をベースにした新価格での取り引きを開始しているところもいくつかある。一方、1〜3月期のナフサ価格が最終的にはっきりするのは財務省の輸入通関統計がまとまる4月下旬となるので、新価格の適用は5〜7月分からにするというところも存在する。
 また、日本ポリプロのように同制度を「コストスライド制」と呼称するところや、ナフサ価格に加えてアジア地域の相場の変動も合わせて新価格の構成要素の一つにカントするところも見られる。ただし、3ヶ月を同制度の適用期間の1単位とする考えは全ての樹脂メーカーに共通している点だ。
 こうした内容の新制度に同意を示し始めた需要家は、家電、コンテナー・パレット、食品容器、押出延伸製品、繊維--等々、文字通り多岐の分野にわたっている。需要家の多くが、同制度の持つ公正性や透明性を評価し、国際社会の中で合理性に富んだ経営を進めていくには、海外市場でかねてから通常の取り引き慣行として定着している同制度を積極的に受け入れたほうが得策と判断し始めたことが大きいと見られる。1〜2ヶ月前までは、同制度を容認する需要家が自動車と電線の両需要業界にとどまり、カバーレッジが2割前後にすぎなったことを考えると大変な様変わりと言える。

 これら汎用樹脂メーカーは今後も引き続き同制度の普及に精力の多くを投入していく構えだ。サプライヤーとユーザーの双方の多くの人材が貴重な時間の多くを価格交渉で浪費することになってきた旧態依然とした商取り引き慣行をこの辺で抜本的に改めなければ、双方が国際社会で取り残されることになるとの危機感がこれまで以上に強まってきたためだ。需要家の間にも同様の意識を持つ向きが増えているだけに、向こう数か月の動向が注目される。