2004年04月13日
発光効率高めるトップエミッション有機ELディスプレイ
ソニー、東北パイオニア、京セラ研など採用相次ぐ
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:京セラ、三洋電機、ソニー、東北パイオニア、パイオニア

 有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイの発光デバイスで、従来のボトムエミッションタイプに対しトップエミッションが注目されはじめている。これまでに東北パイオニア、ソニーなどが採用、三洋電機も白色CF方式で、また富士電機もBlue-ccm方式で検討している。
 
 従来の発光デバイスは透明基板にITO・画素電極とシリコンTFT(薄膜トランジスタ)、電子注入層、発光層、電子輸送層を重ね、その上に陰極をのせていたが、トップエミッションタイプでは基板上に画素電極とシリコンTFT、電子注入層、発光層、電子輸送層、極薄陰極を重ね、その上にITOをのせる仕組み。
 
 これは有機ELが自発光である性質を生かしたもので、開口率が50%(従来は20〜35%)に高まる。少ない電力で発光効率が高まるという効果がでる。
 
 ボトムエミッションタイプでは発光の際にTFTがかげになるが、トップエミッションタイプでは発光が逆方向に向くためTFTがかげにならず、TFTも大きくできる特徴がある。
 
 2005年からアモルファスシリコンTFTを用いた有機ELディスプレイ分野に進出する計画の京セラディスプレイ研究所も、トップエミッションタイプを採用することにしている。同社は従来の有機ELに比べ、約10倍の明るさが表示できるとしている。