2004年04月19日
三井化学、フランスで先端材料シンポを開催へ
今年11月、ルイパスツール大学ISISで
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:シャープ、三井化学

 三井化学は今年秋にフランスで先端材料シンポジウムを開催することになった。
 シンポジウムのテーマは「新しい機能を発現させる先端材料」。開催日は11月22日。開催の協力先と開催場所は、化学、物理、生物の異種分野の融合領域の研究で知られるフランスのルイパスツール大学ISIS。
 同社では、「先端材料分野における欧州の研究機関との協調とビジネス機会の創出が開催の目的」と説明している。日本の化学企業が先端材料を対象テーマに海外でシンポジウムを開催するのはこれが初めて。
 
 冒頭に中西宏幸・同社社長がプレゼンテーションを行い、次いで日本ならびに欧州の大学における同分野の権威5人と藤田照典・同社触媒科学研究所研究主幹が講演する。招待講演者はルイパスツール大学のレーン教授とデッヒャー教授、東京大学の藤田誠教授、フライブルグ大学のミュールハウプト教授、アーヘン工科大学のOkuda教授--の5氏。
 また、合計7件のポスターセッションも予定されている。同社では、内外の大学や同社の研究者のほか一般公募に対する応募者も合わせて150人が参加すると予想している。
 
 三井化学は、「革新技術の創出と中核人材の育成」を研究開発戦略の柱に据え、新製品の開発や人材の採用・育成、さらには産官学共同や情報発信等についても独自のシステムを整備して創造的・効率的な研究開発を推進しているところ。今回の欧州での先端材料シンポジウムも、そうした同社特有の研究開発戦略の推進策の一つとして企画されたもの。
 同社では、これに加えて来年3月22〜23日に千葉県木更津市のかずさアカデミーパークで「第2回触媒科学国際シンポジウム」も開催する。「機能性材料の創出を目指したグリーン触媒最前線」がテーマ。01年ノーベル化学賞の受賞者であるシャープレス・米スクリプス研究所教授が基調講演を行い、続いて内外の触媒科学分野の権威6氏と同社の触媒科学賞受賞者が講演する。また、広く内外の研究者から触媒科学の論文を募集して優れた内容のものを同シンポジウムの開催に合わせて表彰することも計画している。