2004年05月10日
スタジアム用などにLED(発光ダイオード)ディスプレイ急成長
三菱電機、松下、東芝トランスポート、富士通フロンテックなど
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東芝、富士通

 LED(発光ダイオード)の需要が、従来の携帯電話のディスプレイ用、交通信号用や照明用に加えて、競技場やスタジアムの大型ディスプレイ用、ビルボード用などに伸びている。

 これはLEDの価格が生産の拡大によるコストダウンで値下がりしていることやLEDの寿命がきわめて長いことが認識されてきたためで、内外の景気がようやく回復傾向をみせてきたこともあって市場が一層、熱気を帯びそうである。

 LEDは消費電力が蛍光灯の半分ていどで利用できるとあって、自動車メーカー、電子機器メーカーなどがこのところ相次いで採用している。大型ディスプレイ用としてはトップの三菱電機が、CRT(ブラウン管)タイプの映像表示システムとして1980年にドジャーススタジアム、81年に後楽園スタジアムに採用して話題を呼んだが、高輝度青色LEDが出現した93年からはLEDディスプレイの開発に積極的に取り組んだ。
 
 96年に名古屋ドーム、03年には香港競馬場などLEDの改良とあわせて高輝度、高精細化を進め、大型化を実現した。香港のスクリーンサイズは高さ8メートル、幅70.4メートル、長さ563.2メートル、最大輝度8,000カンデラ/平方メートル、解像度400ピクセル×3,520ピクセルとスケールが大きい。

 三菱電機は大小あわせて600セット(国内約270セット、国外約330セット)を設置、今後は現在の国内シェア30%を50%に拡大する方針。大型ディスプレイの価格は受注生産であることもあって1セット5,000万円から1億円。準大型では2,500〜3,000万円もある。市場規模は120億〜150億円。

 大型ディスプレイのメーカーとしては松下、東芝トランスポートエンジニアリング、富士通フロンテック、赤見電機などがある。欧米でも相次いでメーカーが進出している。