2004年05月19日
セイコーエプソンが有機ELで40型ディスプレイ開発
07年に製品化、世界最大、インクジェットで成功
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:伊藤忠商事、住友商事、セイコーエプソン、ソニー、帝人、東レ、富士通、丸紅、三井物産、三菱レイヨン

 セイコーエプソンは18日、次世代ディスプレイとして期待されている有機EL(エレクトロルミネッセンス)で、世界最大の40(インチ)型大画面ディスプレイを開発したと発表した。2007年にテレビとして商品化するとしている。

 有機ELは液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに次ぐ第3の薄型テレビ向けディスプレイとして期待されてきたが、大型化に難点があり、携帯電話用など小型のものにとどまっていた。これまでの最大はソニーの24型。

 セイコーエプソンは高分子の有機ELを真空蒸着方式を不要とするインクジェット方式でつくることにして、この技術を英ケンブリッジ大学から導入、研究を続けてきた。

 有機ELの製造は電圧をかけると光を発して映像をつくるジアミン類などの有機化合物をガラス上のパネル上に取りつける。蒸着法では有機化合物を均質にすることが難しく、これをインクジェット方式によって解決した。

 有機ELは有機化合物自体が発光するため液晶のようにバックライトが不要。このため電機消費量が少なく、画質性能も高いなどの特徴を持つが、セイコーエプソンとしては当面、40型が大型化の限界とみて、これ以上の大型化ではリアプロジェクション(背面投射型)テレビなど他の製法を採用する方向で検討する意向を示している。
 
 日系の主な企業は三井物産、伊藤忠商事、住友商事、兼松、丸紅、王子製紙、三菱レイヨン、新日鉄、富士通、東レ、帝人、大日本インキ化学、川崎コスコ、ポリプラスチックまど。とくに2003年9月に進出した王子製紙は紙・パルプ一体化プロジェクトで対中国投資最大の2,000億円を投入した。