2004年06月03日
SMKが有機ELディスプレイ生産に参入
オフセット印刷方式を採用、小型表示向け
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:セイコーエプソン、デュポン、東北パイオニア、パイオニア

 セイコーエプソンが表示面積40インチの大型ディスプレイ市場への進出を明らかにしたことで、有機EL(エレクトロルミネッセンス)の製品化が急速に進む見通しとなってきたが、電子部品大手メーカーのSMKも2007年をメドに自動車用の表示装置や次世代リモコン機器などの小型機向けに有機ELディスプレイの量産化を手がける計画である。
 
 SMKはテレビのディスプレイのような大型画面ではなく、東北パイオニアや日本精機、ローム、デュポンなどがめざしている小型(2〜3インチ)のディスプレイの製品化にふみ切る予定。生産規模などは明らかにしていないが、当面、複数の機器を制御できる多機能リモコン向けを中心に、自給体制を確立したい意向である。液晶ディスプレイの代替をねらう。
 
 とくに有機ELディスプレイの発光材料の基盤をオフセット印刷方式で生産する点では、従来の真空蒸着方式に比べ、コストが低減できる見込み。SMKの技術は、ガラス基板に有機層を構築する際、大きなガラス基板にオフセット印刷で塗布し、これを小型にカットしてディスプレイをつくる。

 発光層以外は外部に発注するが、エプソンのインクジェット方式や在来の真空蒸着方式などに対し、コストが安くなるとしている。