2004年06月07日
セイコーエプソンが有機ELで40型ディスプレイ開発
07年に製品化、世界最大、インクジェットで成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:セイコーエプソン、ソニー

 セイコーエプソンは18日、次世代ディスプレイとして期待されている有機EL(エレクトロルミネッセンス)で、世界最大の40(インチ)型大画面ディスプレイを開発したと発表した。2007年にテレビとして商品化するとしている。

 有機ELは液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに告ぐ第3の薄型テレビ向けディスプレイとして期待されてきたが、大型化に難点があり、携帯電話用など小型のものにとどまっていた。これまでの最大はソニーの24型。

 セイコーエプソンは高分子の有機ELを真空蒸着方式を不要とするインクジェット方式でつくることにして、この技術を米プリンストン大学と提携、研究を続けてきた。

 有機ELの製造は電圧をかけると光を発して映像をつくる、ジアミン類などの有機化合物をガラスなどのパネル上に取り付ける。蒸着法では有機化合物を均質にすることが難しく、これをインクジェット方式によって解決した。
 
 有機ELは有機化合物自体が発光するため、液晶のようにバックライトが不要。このため電力消費量が少なく、画質性能も高いなどの特徴を持つが、セイコーエプソンとしては当面、40型が大型化の限界とみて、これ以上の大型化ではリアプロジェクション(背面投射型)テレビなど他の製法を採用する方向で検討する意向を示している。