2001年11月08日
三菱化学ポリエステルフィルム、高付加価値品種を拡充
包装材用途向けに新品種数種を近く企業化
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学、三菱化学ポリエステルフィルム

 三菱化学ポリエステルフィルムは、近く、食品包装用の新品種を数種類企業化することになった。
 
 いずれも、従来の品種を凌ぐ品質・機能を備えた高付加価値グレード。例えば、これまでの品種だと4層あるいは5層の複合が必要であったのを3層ですませることができる新グレードなどの開発に成功しており、同社では、これらによって同じ食品包装分野でも従来にない新しい領域をどんどん切り開いていきたいとしている。
 同社は米国、ドイツ、インドネシアの3ヵ国に姉妹会社を保有しており、研究開発や製造、さらには販売活動にいたるまでの全ての面で相互に極めて密接に連携を取りながら効率的に同フィルム事業の国際展開を図ってきている。このため今回開発の新品種についても、日本国内だけでなく広く世界全体の市場で育成していくことにしている。
 最近は、ポリエステルフィルムの需要も全世界的な“IT関連不況”の影響を受けて縮小傾向をたどってきている。こうした中で同社は、高付加価値品種の占める比率をさらに高めていくことで危機を乗り越えていく方針を固めており、それだけに今回の新グレードの開発・上市でどういった成果を上げていくかが注目される。なお、同社グループ4社の総設備能力は年産17万トン。うち、同社の現有能力は同5万トンとなっている。