2004年07月13日
ポリ乳酸の食品衛生上の安全性をポリ衛協が認定
28番目の食品包装材向け樹脂として登録
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:三井化学、ポリオレフィン等衛生協議会

 カーギル・ダウLLCと三井化学の両社はかねてからポリオレフィン等衛生協議会に対してポリ乳酸を食品包装材料向け樹脂として認定するよう共同で要請していたが、6月末の同協議会の理事会において承認されたと13日に発表した。
 これによって、ポリ乳酸は同協議会が認定する食品包装材向けの28番目の樹脂として登録され、欧米同様に食品包装分野への進出の道が大きく開けることになった。
 
 ポリ乳酸の場合は、コーン、イモ類、ビート、サトウキビといった植物から得られる乳酸を原料としているため、化石資源の節約と炭酸ガス排出量の増加抑制に大きく寄与する次世代型プラスチック材料との評価が世界全体で急速に高まっている。欧米では、公的機関によって食品衛生上の安全性も問題ない点が確認され、FDAの認可やEU指令を通して食品包装材料への使用が認められ、採用例も増えている。

 一方日本では、両社をはじめ関係各社が繊維や非食品用包装材を対象に市場開拓を進めてきたものの、大きな潜在需要が見込まれている食品包装分野への進出にはポリオレフィン等衛生協議会のような専門組織から食品衛生面の安全性にも問題がないとの認定を受けることが必要なため、両社で様々なデータを揃えて同協議会に審査を求めてきていたもの。

 なお、現在カーギル・ダウでは米国で年産14万トン能力のポリ乳酸プラントを稼動、一方の三井化学はカーギル・ダウ社の製品の輸入によって市場を拡大中。三井化学の商品名は「LACEA」。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/0713mitsui2.pdf