2004年07月26日
NUC、メタロセンPEの追加生産を実施
強度と透明性が人気、次回の生産は11月を予定
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:日本ユニカー

 日本ユニカーは、先々週末から川崎工場で約1週間にわたってメタロセン触媒によるL-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の追加生産を実施した。年産11万トン能力のユニポール法設備を使ってメタロセン触媒技術による同社独自のC6コモノマー品種を生産した。同社のメタロセンPE(商品名・ユニマイティー)の生産は、昨年6月と今年5月に続いて今回が3度目。今年5月の2度目の生産では市場開拓に必要な数量を十分確保できなかったので追加生産したもの。
 
 同社は低密度ポリエチレン事業の強化策の最重要ポイントを高付加価値型品種の育成に置いており、このため直鎖状低密度ポリエチレンについても、ユニポール品種に加えて、コンベンション社から導入したメタロセン触媒技術によるC6コモノマー品種を新たに企業化して新領域を切り開いていくことにしている。現在は、切り替え生産製品の品質や機能に対する市場の反応を確認中のところだが、強度と透明性を兼ね備えている点が多くの需要家筋に評価されている模様。
 もっとも同社では、生産量の多くを自社でコンパウンドの構成材料の一つとして活用していく計画。ほぼ全てを外販する先発のメタロセンPE企業とはいささか異なる企業戦略と言える。次回の生産は今年11月となる見通し。将来は年産3万トン程度を目標にしていく考え。