2004年07月26日
エプソン、高温ポリシリコンTFT液晶パネルの新工場
300ミリウエハー石英ガラスでプロジェクター用に
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:セイコーエプソン

セイコーエプソンは北海道千歳市に千歳美々ワールド工業団地に建設していた千歳事業所が完成、10月から試験操業を開始することになった。同社では初めての300ミリウエハー(12インチ)石英ガラスを使った高温ポリシリコン薄膜トランジスタ(TFT)液晶パネルの生産となる。

同社は昨年8月から工場建屋(地上7階、延床面積約8万3,000平方メートル)を、約16万平方メートルの敷き地の一部を使い建設、7月までクリーンルームを完成させた。液晶パネルの生産は12インチ型で月産2,000wf(ウエハー)を計画している。従業員は約200人。用地を含め約350億円を投資した。10月までに製造ラインを設置するが、本格的な生産は来年5月となる見通し。

千歳で同社の新工場建設はITバルブの崩壊で約1年延長していた。しかし、ホーム用フロントプロジェクター、大型液晶プロジェクションTVの需要の順調な伸びが期待される状況になったため、完成を急いだもの。

液晶パネルでは1994年3月から諏訪南事業所で生産(1.3型VGAオパネル)をはじめたが、2002年10月に1,000万枚の出荷を達成、さらにこの7月に累計2,000万枚を突破した。2003年のプロジェクター向けライトバルブ市場では同社が55%のトップシェアを確保したとしている。また、最先端の液晶技術、高開口率化技術などで、他社に比べ輝度効率が高く、明るい色再現性にすぐれ、低パワーを実現している。

同社では千歳事業所の用地に余裕があるため、需要次第で次の増設を急ぎたい意向。また、有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルも同事業所での生産を検討しているもようである。液晶パネルや有機ELパネルの生産には、通常低温ポリシリコンTFTが使われているが、同社の高温ポリシリコンTFTは独自の行き方として注目を集めている。