2004年07月28日
浙江省・杭州市が企業誘致を積極的に
行政トップが来日、黄金産業地帯の建設を説明
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:帝人、帝人化成、東芝、丸紅

中国浙江省の章猛進常務副省長を団長に、王国平杭州市人民代表大会主任ら一行150人で構成する訪日代表団が来日、26日、東京・紀尾井町の赤坂プリンスホテルで「中国浙江省・杭州市投資・観光説明会」を開いた。

浙江省環杭州湾地区は長江デルタ地区の杭州、寧波、嘉興、湖州、招興、舟山の6市を含む重要な拠点。人口2,300万人、全省の51%を占める。陸地面積は4.5万平方キロ、2003年の1人当たりのGDPは3,400ドル。

長江デルタ都市群は米国東北部の大西洋沿岸都市群、北米の5大湖都市群、イギリスのロンドン都市群、欧州の西北部都市群、日本の太平洋沿岸都市群に並ぶ世界6大都市群のひとつ。ここに黄金産業地帯をつくろうというわけである。

主な産業は電子情報産業(中国の携帯電話の4大生産基地のひとつ、国家級ソフトウエアおよび集積回路設計産業基地)、医薬産業(華大遺伝子南方研究センターなどの研究機関や医薬の基幹企業が存在)、石油化学産業、紡績産業、服装産業の5大業種が活躍している。

同省の首位を占める杭州市は上海まで約200キロ、鉄道、高速道路で約2時間の距離。総面積約1万6,600平方メートル、人口630万人で1人当たりのGDPが4,000ドルに達している。日系企業は東芝、松下、三菱など434社(総投資額17.2億ドル)、中国の75経済技術開発区でトップの地位にある。

寧波市は上海まで3時間の距離だが、2008年に杭州湾大橋が完成すると2時間に短縮される。人口540万人。1人当たりのGDPは3,963ドル。三菱、日立、日産、東芝などが進出している。

嘉興市は上海まで約90キロ。1人当たりのGDPは3,121ドル。日本電産、帝人化成、伊藤忠、丸紅、鉄鋼などが進出している。

浙江省としての電力はいまのところ供給が不足する傾向にある。今後1〜2年で1,700万キロワット、2007年で3,000万キロワット、2010年で4,000万キロワットの体制とする計画だ。

特徴的な開発区としては杭州ハイテク技術産業開発区がある。1990年3月にスタート、1991年3月に国家クラスの地位を獲得した。北江、浜区の2地区があり、全国53か所の中で5年連続して第3位の評価をうけた。通信設備、ソフトウエアなどで高いレベルを維持している。

また、観光では西湖、富春江、新安江、千島湖、さらに天目山、大明山、浙西大峡谷を持ち、とくに西湖は「地上極楽の真珠」とたたえられ、梁山伯と祝英台、白蛇伝などの伝説もある。雄大な銭塘江の大逆流も有名。古くは呉越国および南宋王朝の都である。