2004年08月04日
樹脂製容器包装のリサイクル、新手法が急拡大
PETボトルではBtoBが、プラ製容器包装ではガス化が急増
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:帝人、帝人化成

 容器包装リサイクル法の対象となっている樹脂製容器包装のリサイクルは引き続き順調に拡大しているが、ここにきて新たな手法によるリサイクルが急速に増えてきている点が注目される。
 日本容器包装リサイクル協会の集計によると、6月における樹脂製容器包装のリサイクル数量は、PETボトルが1万6,013トンで前年同月の49.4%増、プラスチック製容器包装が2万3,955トンで同18.3%増となった。4〜6月の累計はPETボトルが3万6,465トンで前年同期の25.4%増、プラ製容器包装が6万873トンで前年同期の21.3%増となっている。

 うち6月おけるPETボトルのリサイクルの内訳は、繊維化(ユニフォーム、カーペット等)が7,436トンで全体の46.4%を占めてトップの地位を維持、以下はシート化(卵パック、ブリスターパッケージ等)が4,990トンで構成比が31.2%、ボトル化が3,083トンで同19.3%、成形品化が347トンで同2.2%、その他が157トンで同1.0%--となっている。4〜6月の累計は繊維化が1万6,987トンで同46.6%、シート化が1万3,269トンで同36.4%、ボトル化が4,950トンで同13.6%、成形品化が829トンで同2.3%、その他が430トンで同1.2%--となる。
 目を引くのはこの中のボトル化が前年を大きく上回っている点だ。6月は前年同月の4.7倍に急拡大し、4〜6月の累計も前年同期の2.28倍に達している。これは、帝人化成グループとペットリバースの両社が今年度から相次いで使用済みPETボトルを化学分解法によって原料樹脂に還元するプロジェクトを立ち上げたことによるもの。いわゆるボトルtoボトル・システムのスタートがPETボトルのリサイクルの歴史に新しい1ページを加えつつあるといえる。
 
 一方のプラ製容器包装の6月のリサイクルの内訳は、コークス炉化学原料化が1万239トンで同42.7%、高炉還元剤利用が4,586トンで同19.1%、プラ製品化が4,583トンで同19.1%、合成ガス化が4,030トンで同16.8%、熱分解油が517トンで同2.2%--となっている。4〜6月計は、コークス炉利用が2万8,705トンで同47.2%、高炉利用が1万419トンで同17.1%、プラ化が1万1,791トンで同19.4%、合成ガス化が8,526トンで同14.0、熱分解油が1,431トンで同2.4%--となっている。
 目を引くのは合成ガス化の伸びの高さである。6月は3.85倍、4〜6月計では3.3倍に拡大している。ガス化溶融技術の開発と実用化が強力な促進力になっていると見られる。